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大規模言語モデルのAnthropic、音楽出版社との著作権訴訟で初期の勝訴を獲得
AI企業Anthropicは、米国で複数の音楽出版社との間で争われている著作権侵害訴訟において、初期の重要な法的勝利を収めました。出版社側は、Anthropicが許可なく歌詞をAIチャットボット「Claude」のトレーニングに使用したとして2023年に提訴していましたが、今回の判決で米国連邦地方裁判所のEumi Lee判事は、Anthropicに対する差止命令の要求を却下しました。
この裁判はUniversal Music Group(UMG)、Concord、ABKCOなどが起こしたもので、Anthropicが少なくとも500曲の歌詞を無断で利用し、出版社のライセンス市場を損なう可能性があると主張していました。しかしLee判事は、「出版社側の主張はAIトレーニングのライセンス市場の定義を裁判所に求めるものであり、そもそも著作権法の『フェアユース』に該当するかどうかという基本的な問題は未解決のままである」と述べ、差止命令が広範すぎ、出版社側が主張する「回復不能な損害」を証明していないと判断しました。
Anthropicの広報担当者はこの判決を歓迎し、「裁判所が出版社の過度で曖昧な要求を認めなかったことを嬉しく思います」とコメントしました。一方、出版社側は「この判決にかかわらず、Anthropicに対する私たちの主張は強力であり、引き続き自信を持っています」と述べました。
本件は、著作権者の許可や支払いなしに作品をAIトレーニングに使用したとして、多くのAI企業が直面している一連の訴訟の一部です。OpenAI、Microsoft、Meta Platformsなどの企業は、AIトレーニングにおけるこうした使用は新たな価値を創造する「フェアユース」に該当すると主張しています。
Anthropicは2025年3月にLightspeed Venture Partnersが主導するシリーズEの資金調達ラウンドで35億ドルを調達し、企業価値は615億ドルに達しています。さらに数ヶ月前にはGoogleから10億ドル以上の出資を受けています。
Anthropicについて
AnthropicはAIを開発する企業であり、特にAIチャットボット「Claude」で知られています。2025年3月にはLightspeed Venture Partners主導で35億ドルを調達し、615億ドルの評価を受けています。Googleを含む大手企業からも投資を受け、最先端AI技術の開発に取り組んでいます。
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