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サイバーセキュリティのAxonius、IT資産の「見える化」をAI技術で革新
サイバーセキュリティ分野では、断片化したシステム環境が重大な課題となっています。特にシャドーITやSaaSツールの乱立、そして各種ツール間のデータの分断により、企業は自社環境のセキュリティ状況を正確に把握できない状況に陥っています。Axoniusの共同創業者兼CEOであるDean Sysman氏は、この問題を解決するためには「単一の真実(Singular Truth)」、すなわちあらゆるIT資産を統合し、明確に把握できる仕組みが必要だと述べています。同社はこの考えに基づいて「サイバー資産管理(Cyber Asset Management)」という新たなアプローチを提供しています。具体的には、AI技術を用いて組織が保有するすべてのツールを統合し、資産情報を集約・整理して、統一された資産データモデルを構築します。このモデルにより、企業は受け身な対応から積極的かつ迅速な行動へ移行できるようになります。
さらにAxoniusのプラットフォームは、資産管理を効率化し、サイバー脅威を予防的に管理するための自動化機能も備えています。例えばディズニーやコストコの元CISOであるRyan Knisley氏は、Axoniusを利用して日常的なセキュリティタスクを自動化し、チームが複雑で重要な問題に集中できる環境を作ったと述べています。しかし、こうした技術的な進歩だけで十分とは言えません。TransUnionのKara Keene氏によると、サイバーセキュリティ成功の鍵は、技術的な能力以上に「信頼」や「外交力」といったソフトスキルにあります。彼女はAxoniusを導入したことで、他部署との協力関係が改善し、セキュリティ部門が単なる監視役から頼れるパートナーへと変化したことを明らかにしています。
一方で、データガバナンスの観点でもAxoniusは注目されています。InComm PaymentsのLuis Valenzuela氏は、Axoniusが企業内のデータの死角を特定し、コンプライアンスとイノベーションのバランスを取るために不可欠な存在であると強調しています。特にAI導入が進む現在、Axoniusのような統合的なデータ管理プラットフォームが、データ管理とリスク監視を大規模かつ効率的に行うための鍵となっています。最終的には、セキュリティの問題は単なる技術問題を超え、組織文化や人間の行動に深く関わっています。そのため、Axoniusは技術と人間性を融合させ、現代の複雑なリスクに対する包括的な解決策を提供しているのです。
Axoniusについて
Axoniusは、サイバーセキュリティ分野で企業が所有するIT資産を統合管理するためのAIベースのプラットフォームを提供する企業です。分散したデータやツールを統一して「単一の真実」を作り出し、企業がより迅速かつ的確にセキュリティ上の意思決定を行えるよう支援しています。
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