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OncologyのTriomics、AIを活用したがん臨床試験スクリーニングをYale Cancer Center全試験に拡大
オンコロジー特化の生成AIスタートアップTriomicsは、Yale Cancer Center(YCC)およびSmilow Cancer Hospitalにおけるすべての進行中オンコロジー臨床試験を対象に、TriomicsのAI搭載臨床試験スクリーニング/フィージビリティ(実施可能性)評価システムの運用を拡大することを発表しました。YCCのような先進的ながんセンターでは、医師の記載、病理・放射線レポート、FAXのスキャンなど、自由記述情報の多いカルテが日常的に扱われています。こうした非構造化データは臨床試験の適格性評価を極めて時間のかかる作業にしてきました。Triomicsは、縦断的な電子カルテ情報と、施設内でアクティブな全臨床試験の組み入れ/除外基準を読み込み、Nature Digital Medicineに掲載された専門家レベルの精度で、各患者に対して「有望な候補試験のランキングリスト」を自動生成します。リストには、基準ごとの明確な理由付けと原データへのリンクが付与されており、レビュー担当者はなぜその試験が候補に入る/入らないのかを瞬時に把握し、検討から意思決定までを効率的に進めることができます。
Connecticut州で唯一のNational Cancer Institute指定包括的がんセンターであり、400件以上のアクティブトライアルを抱えるYale Cancer Centerにとって、臨床研究を患者にとってより効率的でアクセスしやすいものにすることは重要なテーマです。Yale Cancer Center Clinical Trials OfficeのMedical Directorであり、医学(腫瘍内科)教授のIan Krop医師(MD, PhD)は、「詳細な評価プロセスを経て、Triomicsのプラットフォームが試験アクセスのしやすさ、構造化、透明性をもたらしてくれることに期待しています。これにより、チームはカルテを探し回る時間を減らし、患者が適切な試験に登録できるよう支援することに、より多くの時間を割けるようになります」とコメントしています。
Yale Cancer Center Clinical Trials OfficeのExecutive DirectorであるAlyssa Gateman氏(MPH, CCRP)は、「Triomicsプラットフォームをフィージビリティプロセスに統合することで、実世界の患者データに基づいて試験の適格基準を迅速に評価できるようになります。このデータドリブンなアプローチにより、登録上の課題を事前に把握し、新規試験を立ち上げる段階から成功しやすいポジションに置くことが可能になります」と述べています。
Triomicsの共同創業者兼CEOであるSarim Khan氏は、「私たちのプラットフォームは臨床判断を“置き換える”ためではなく、“支える”ために設計されています。必要な情報を、より速く、より確実に浮かび上がらせることが目的です。Yale Cancer Centerの医師・リサーチチームとともに、ワークフローの中に当社プラットフォームを組み込み、患者アウトカムの向上に貢献できることを楽しみにしています」と語っています。今回の導入拡大により、Yale Cancer CenterとSmilow Cancer Hospitalにおけるがん臨床試験へのアクセスは、より体系的で透明性の高いものとなり、患者一人ひとりにとって「最適な治療オプション」にたどり着く可能性が高まることが期待されます。
Triomicsについて
Triomicsは、がん領域に特化した生成AIプラットフォームを開発するヘルステックスタートアップです。Nature Digital Medicineでも精度が検証されたAIエンジンを用いて、医師の記載や検査レポートなど非構造化を含む縦断的な医療記録を解析し、臨床試験のスクリーニングやフィージビリティ評価を支援します。試験ごとの適格基準と患者情報を照合し、候補となる試験のランキングリストと基準別の説明を提示することで、がんセンターや病院の研究チームがより効率的かつ公平に患者を試験へとつなげられるよう支援することをミッションとしています。
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