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2025/11/20

Startup Portfolio

量子コンピュータのClassiqとBQP、NVIDIA CUDA-Qと連携しデジタルツインのスケール可能性を実証

量子コンピューティングソフトウェアのグローバルリーダーClassiqは、量子シミュレーションスタートアップBQPおよびNVIDIAと共同で、デジタルツインおよび数値流体力学(CFD)ワークロード向けのハイブリッド量子–古典シミュレーションに関する技術デモを実施したと発表しました。BQPはミッションクリティカル産業向けにデジタルツインワークフローを加速するプラットフォーム「BQPhy」を提供しており、今回のコラボレーションでは、Classiqのモデルファーストな量子開発プラットフォーム、BQPによるVariational Quantum Linear Solver(VQLS)のBQPhy上での実装、そしてハイブリッド量子–古典計算を支えるNVIDIA CUDA-Qプラットフォームを組み合わせ、高性能計算(HPC)環境向けに「量子レディ」なシミュレーションワークフローを実現しています。

 

Classiqの自動回路合成技術を活用することで、BQPは従来の量子線形ソルバーでは大きくなりがちな回路を、VQLSベースのアプローチによりコンパクトに再設計しました。これにより、回路サイズの縮小、量子ビット使用量の最適化、学習すべきパラメータ数の削減を同時に達成しています。こうした削減は、CFDやデジタルツインで一般的な行列ベース問題のスケーリング特性の改善につながり、実際のエンジニアリングワークフローの中でハイブリッド手法を運用する現実性を高めるものです。実行基盤としてNVIDIA CUDA-Qを利用しているため、産業界や研究機関で広く使われている既存のHPCパイプラインに自然に統合できる点も強みとなっています。

ClassiqのCo-founder兼CEOであるNir Minerbiは、「今回のコラボレーションは、ハイブリッド量子–古典アプローチが、すでに今日の厳しいエンジニアリングワークロードを支えるために活用できることを示しています」と述べ、「最適化された量子回路を自動生成し、既存のシミュレーション環境に統合することで、BQPのようなチームが“量子レディ”な手法を、そのまま顧客向けソリューションに組み込めるようにしています」とコメントしています。

 

BQPは、今回のVQLSベース技術をすでに顧客向け提供の中に組み込み、デジタルツイン、最適化、シミュレーション環境で用いられている既存の数値手法やソルバー、ワークフロー要件と整合するよう調整しています。これにより、企業は既存のHPCシステムの構造や信頼性を維持しながら、ハイブリッド技術の検証および実務適用を進めることができます。BQPのCEOであるAbhishek Chopraは、「私たちのフォーカスは、顧客が直面する最も複雑なシミュレーション課題に対して、実用的で堅牢なソリューションを提供することです」と述べ、「Classiqと共同で開発し、NVIDIA CUDA-Qプラットフォーム上で実行されるこのハイブリッドワークフローは、現在提供しているツール群の柔軟性とスケーラビリティを強化し、顧客がすでに依存しているエンジニアリングシステムと自然に統合されます」と説明しています。今回の取り組みの詳細として、BQPはVQLSの定式化、ベンチマーク結果、使用した手法を解説する技術ブログも公開しています。デジタルツインやCFDのような計算集約型ワークロードに対し、量子コンピューティングを徐々に取り込んでいくための「現実的なステップ」として、ハイブリッド量子–古典手法の有効性を示す事例と言えます。

 

Classiqについて
Classiqは、エンタープライズと研究者が量子コンピューティングを実用的に活用できるようにする量子ソフトウェア企業です。同社のプラットフォームは、高レベルな関数モデルからハードウェア実行可能な最適化済み量子回路を自動生成し、開発チームがハードウェアの細かな知識なしにアルゴリズムを迅速に開発・最適化し、コストと性能のバランスを取りながら量子アプリケーションを早期に実用化できるよう支援します。主要クラウド/ハードウェアプロバイダーとのパートナーシップを通じて、「一度設計した回路をどの量子バックエンドにも展開できる」環境を提供しており、合成技術やメモリ最適化ツールにより、スケーラブルで効率的な量子コードの生成を可能にしています。Fast Companyの“Next Big Thing in Tech 2025”にも選出され、グローバル投資家の支援を受けるClassiqは、量子ソフトウェアのカテゴリーリーダーとして、量子コンピューティング応用の実現を最前線で牽引しています。

 

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