サイバーセキュリティのAnecdotes、グローバルな規制対応需要の高まりを受けシリーズB追加調達で3000万ドルを獲得

イスラエルのスタートアップであるAnecdotesは、ドイツの投資会社DTCP主導で3000万ドル（約45億円）の追加資金調達を行いました。同社は、サイバーセキュリティ分野におけるコンプライアンス規制対応を支援するプラットフォームを提供しており、AI技術に関連する新たな法規制や世界的な報告義務の高まりを背景に、注目を集めています。今回の投資は、約1年前に実施された2500万ドルのシリーズBラウンドの延長であり、これによりシリーズBの総調達額は5500万ドル、同社の累計調達額は8500万ドルとなりました。シリーズBの当初ラウンドはGlilot Capitalが主導し、イスラエルのVertex VenturesやRed Dot Capitalも参加していました。

Anecdotesは、イスラエル軍の精鋭情報部隊「8200部隊」出身のYair Kuznitsov CEOとRoi Amior CPOによって2020年に設立されました。現在、テルアビブのオフィスを中心に約100名の従業員を抱えています。CEOのKuznitsov氏によると、DTCPは当初ラウンドにも少額で参加しており、その際に設定した1年以内に達成すべき目標やマイルストーンをAnecdotesがすべて達成したことで、今回大幅に投資額を増やしたとのことです。Anecdotesが展開するのは、ガバナンス・リスク管理・コンプライアンス（GRC）という分野であり、現在、この市場は転換期を迎えています。AI技術に関連する新たな法規制の導入やサイバー脅威の激化など、企業が直面する規制環境は複雑化する一方です。そのため、企業のGRCシステムが常に有効で、監査に対応可能な状態であることが求められています。しかし、従来型のGRCソリューションは多くが旧時代的な仕組みに依存しており、監査担当者にスクリーンショットを送るような手作業中心のプロセスが多く、企業の負担となっていました。

Anecdotesが提供するプラットフォームは、企業内の既存システムと統合して必要なデータを自動収集することで、GRCにおけるコンプライアンス対応を効率化し、より透明性と信頼性の高い仕組みを実現しています。同社の主要顧客は、テクノロジー、金融サービス、ヘルスケアの3業界であり、コンサルティングや会計事務所の大手企業、さらにServiceNowなどのソフトウェアプロバイダーとの提携を通じて市場展開を行っています。同社の主な顧客には、Snowflake、SoFi、Well Healthなどが名を連ねています。

Anecdotesについて
Anecdotesは2020年にイスラエルで設立されたスタートアップ企業で、企業のサイバーセキュリティにおけるコンプライアンス対応を効率化するGRCプラットフォームを提供しています。企業内の既存システムとの統合により、手作業を最小限に抑えた自動化されたコンプライアンス対応を実現します。主にテクノロジー企業、金融サービス企業、ヘルスケア企業に対してサービスを提供しており、Snowflake、SoFi、Well Healthなどを顧客としています。本社はイスラエル・テルアビブに位置しています。