Startup Portfolio
産業AIのPhysicsX、韓国LG CNSと提携し産業向け「ワールドモデル」を共同開発へ
英国の物理AIスタートアップPhysicsXが、韓国の大手システム構築(SI)企業LG CNSと提携し、次世代の産業向けAIモデルを共同開発すると発表しました。PhysicsXは、航空宇宙や自動車といった分野の顧客向けに、設計や製造の工程を高度化する産業AIモデルを手掛ける企業です。今回の提携は、同社のAIによる工学シミュレーション基盤と、LG CNSのエンタープライズ向けシステム統合力やデジタルツイン技術を組み合わせ、産業の現場に物理ベースのAIを適用することを狙います。
中核となるのは「ワールドモデル」と呼ばれる技術です。これは物理法則を学習し、現実の環境を仮想空間上でシミュレーション・予測することで、ロボットやスマート工場が自律的に判断できるようにするAIを指します。行動を一つひとつ学ばせる従来型のモデルと異なり、データ不足の壁を乗り越えやすいとされる一方で、開発が難しく、実現できている企業は世界でも一握りとされます。
今回の提携は、LGグループとしては初めての、産業向けワールドモデル開発への本格的な取り組みと位置づけられます。LG CNSは、グループ会社や外部顧客向けのAI変革やロボット導入支援で蓄積してきた製造現場のデータを持ち込み、PhysicsXの開発ノウハウと掛け合わせて最先端技術の獲得を目指します。具体的な適用領域や商用化の時期は明らかにされていませんが、物理AIをめぐる開発競争が、アジアの製造業を巻き込みつつあることを示す動きです。
PhysicsXについて
PhysicsXとは、2019年に設立された英国ロンドン拠点の物理AI企業です。Jacomo CorboとRobin Tuluieらによって創業され、物理法則に基づくAIで工学シミュレーションを高速化・高度化する技術を手掛けます。航空宇宙や自動車をはじめとする製造業向けに、設計・開発の効率を大きく高めるモデルを提供しています。Nvidiaからの出資を受け、評価額は約24億ドルとされ、Microsoftなども顧客に名を連ねます。物理AIを産業の現場に広げ、ものづくりのあり方を変えることを目指す企業です。
関連ニュース








PhysicsX に興味がありますか?
最新ニュース

AIセーフティのAnthropic、Claude Fable 5の生物学セーフガードを改良し誤検知によるモデル切り替えを約85%削減
2026/08/09

LLMのOpenAI、次期モデルAstraが「Critical」級能力に達する可能性を受け一部開発活動を停止し安全対策を強化
2026/08/09

音声AIのElevenLabs、感情や話し方を90超の言語へ引き継ぐDubbing v2をAPI化しアプリへの組み込みに対応
2026/08/09

AIインフラ向けコネクティビティプラットフォームの"Lumilens"が総額$700M超を調達し評価額は$5.51Bに拡大
2026/08/08

AIコーディングエージェント向けのバックエンドプラットフォームを提供する"Convex"がSeries Bで$57Mを調達
2026/08/08
