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自己免疫疾患向けT細胞エンゲージャーを獲得する免疫疾患バイオ医薬のGilead、Ouro Medicinesを最大$2.2Bで買収へ
Gilead Sciencesは、自己免疫疾患向けT細胞エンゲージャー治療を開発する非公開バイオ企業Ouro Medicinesを買収する正式契約を締結したと発表しました。買収総額は最大$2.175Bで、内訳は慣例的な調整条項の対象となる$1.675Bの前払い現金と、最大$500Mの条件付きマイルストン支払いです。Gileadは今回の買収により、炎症・免疫領域のパイプラインを拡充し、自己免疫疾患領域での存在感をさらに高めようとしています。今回の買収でGileadが獲得する中核資産は、OM336(gamgertamig)です。これはBCMAxCD3を標的とする臨床段階のT細胞エンゲージャーで、皮下投与後に迅速なB細胞枯渇を促すよう設計されています。Gileadはこの候補を、耐久的な「immune reset」をもたらし得る自己免疫疾患向けの有望資産として位置づけています。OM336は米国FDAからFast Track DesignationとOrphan Drug Designationを取得しており、進行中のPhase 1/2試験では、autoimmune hemolytic anemiaやimmune thrombocytopeniaを含む重度自己免疫疾患で有効性が示されているとされています。
Gileadはこの買収と並行して、GalapagosとOuroのポートフォリオに関する戦略的提携を結ぶ意向も示しています。提案されている枠組みでは、Galapagosが前払い対価とマイルストン支払いの50%を負担し、Ouroの営業資産の大半を引き受け、従業員も保持します。さらに、登録試験開始までの開発費用はGalapagosが負担し、その後の費用は両社で折半する計画です。一方で、GileadはGreater Chinaを除く世界での独占販売権を保持し、Galapagosには売上高の20%から23%のロイヤルティを支払う方針です。Greater Chinaの権利は既存契約に基づきKeymed Biosciencesが保有しています。この提携は、既存のGalapagosとのOption License and Collaboration Agreementの見直しも含んでいます。発表では、Galapagosの既存現金のうち最大$500Mを、より自由に使えるようにする方向が示されており、その中には最大$150Mの自社株買いの可能性も含まれています。これは、Gileadによる買収とGalapagosとの新たな協業が、単なる資産取得にとどまらず、提携構造そのものの再設計につながることを意味しています。
Gileadにとって今回の案件は、2026年2月に発表したArcellx買収に続く短期間での大型ディールです。Arcellxの案件は約$7.8B規模とされており、Gileadはがん領域に加えて、今回のOuro買収で自己免疫疾患領域にも積極投資する姿勢を鮮明にしています。背景には、主力のHIV事業に依存しすぎない成長基盤の構築と、より広い免疫・細胞治療領域への拡張戦略があるとみられます。今回の買収は、自己免疫疾患治療におけるT細胞エンゲージャーの可能性を一段と押し上げる動きとして注目されます。OM336はまだ臨床初期段階にあるものの、重症自己免疫疾患に対する新しい治療選択肢として期待されており、Gileadはこの資産を通じて炎症・免疫領域の中長期成長を狙っています。Galapagosとの分担スキームを組み合わせることで、資本効率と開発推進の両立を図る構図も特徴的です。
Ouro Medicinesについて
Ouro Medicinesは、自己免疫疾患向けのT細胞エンゲージャー治療を開発する非公開バイオテクノロジー企業です。主力候補のOM336(gamgertamig)は、BCMAxCD3を標的とする臨床段階の資産で、autoimmune hemolytic anemiaやimmune thrombocytopeniaを含む重度自己免疫疾患を対象に開発が進められてきました。2026年1月にはimmune thrombocytopeniaおよびautoimmune hemolytic anemiaに対してFDA Fast Track Designationを取得しており、Gileadによる今回の買収で、その技術と資産はより大きな免疫疾患開発戦略の中に組み込まれることになります。
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