1. Home
  2. News
  3. AIエージェントのAnthropic、ClaudeにmacOS向け「computer use」研究プレビューを導入
2026/03/25

Startup Portfolio

AIエージェントのAnthropic、ClaudeにmacOS向け「computer use」研究プレビューを導入

Anthropicは、Claudeがユーザーのコンピューターを直接操作できる新機能「computer use」を導入しました。これはプラグインや単純なAPI連携ではなく、Claudeが実際に画面を見ながらカーソルを動かし、クリックし、アプリを開き、ブラウザを操作してタスクを進める仕組みです。Anthropicは2026年3月23日の製品発表で、この機能をClaude CoworkとClaude Codeに追加し、Claude ProおよびMax契約者向けの研究プレビューとして提供開始したと説明しています。対応環境は現時点でmacOSです。この機能の特徴は、Claudeが最初から画面操作に頼るのではなく、まずはSlackやGoogle Calendarのような既存コネクタを優先的に使う点にあります。必要な連携手段がない場合に限って、Claudeは画面上の情報を読み取り、ブラウザ、マウス、キーボード、アプリ操作へ移行します。Anthropicは、Claudeがファイルを開き、Webを閲覧し、開発ツールを動かすことができる一方で、新しいアプリケーションに触れる前には必ず明示的な許可を求め、ユーザーはいつでも停止できるとしています。

 

また、この新機能は「Dispatch」との組み合わせによって、より実用的な体験へ広がっています。Dispatchは、スマートフォンやデスクトップからClaudeへ継続的に仕事を割り当てられる機能で、ユーザーは移動中にスマートフォンからタスクを依頼し、後でデスクトップ上で完了結果を受け取ることができます。Anthropicの公式サポート文書では、ローカルの表計算ファイルを要約したり、Slackやメールを横断してブリーフィング文書を作成したり、Google Drive上の資料からプレゼンテーションを組み立てたりできる例が紹介されています。さらに、毎朝メールを確認する、毎週メトリクスを取得するといった定期タスクにも対応すると説明されています。  一方でAnthropicは、この機能に伴うリスクも強く認識しています。特に注意点として挙げているのがプロンプトインジェクションで、Webページや文書の中に埋め込まれた指示が、ユーザーの本来の意図を上書きしてしまう可能性があります。Anthropicはこれに対し、モデル内部の挙動を自動スキャンして危険な兆候を検知し、必要に応じてClaudeを停止してユーザー確認を求める仕組みを導入しています。また、一部の高リスクなアプリは初期設定で利用不可になっています。

 

Anthropicは同時に、この機能がまだ初期段階であることも認めています。複雑な作業では再試行が必要な場合があり、画面操作を通じた作業はコネクタ経由の処理より遅くなることがあります。さらに、特殊なソフトウェアやあまり一般的でない環境では信頼性が下がる可能性もあるとしています。そのため同社は、まずは信頼できるアプリから試し、機密データを扱う用途には慎重であるべきだと呼びかけています。今回の提供形態を「研究プレビュー」としているのも、こうした制約を踏まえて広範展開前に実運用上の課題を把握するためです。今回の発表は、AIエージェント市場の競争が激化する中で行われました。Anthropicは、開発者向けフレームワーク中心のアプローチではなく、より洗練された消費者向け製品として、強めの安全制御と自社アプリ群との統合を前面に出しています。Claudeのcomputer useは、単に質問に答えるAIから、実際にユーザーの代わりに作業を進めるAIへと踏み出す象徴的な機能であり、Anthropicが慎重さを保ちながらもAIエージェント競争へ本格参入したことを示しています。

 

Anthropicについて
Anthropicは、Claudeシリーズを中心に生成AIとAIエージェント技術を展開するAI企業です。近年は、Claude Desktop、Claude Code、Claude in Chrome、Cowork、Dispatchなどを通じて、テキスト応答にとどまらず、ファイル、ブラウザ、開発環境、業務アプリを横断的に扱う実行型AI体験の拡張を進めています。安全性を重視した設計と、実務に使えるエージェント機能の両立を重視している点が特徴です。

 

TagsAIUnited States

関連ニュース

Contact

AT PARTNERSにご相談ください