Startup Portfolio
コールセンター向けAIボイスエージェントの"PolyAI"がSeries Dで評価額$750Mで$86Mを調達
PolyAIは、Georgian、Hedosophia、Khosla Venturesがリードし、NVIDIAのベンチャーキャピタル部門NVentures、British Business Bank、Citi Ventures、Zendesk Ventures、Point72 Venturesなどが参加したSeries Dで評価額$750Mで$86Mを調達した。新たな資金調達により同社のこれまでの資金調達総額は$200Mを超えました。
London拠点のコールセンター向けAIボイスエージェントのPolyAIは、Cambridge大学からスピンアウトし、コールセンター向けにAIアシスタントを開発した後、さまざまな問い合わせに応じて人間の顧客をガイドし、毎日数百万件の通話を処理できる技術を構築しました。同社のコールセンターエージェントは人間の声とほとんど区別がつかない程です。
「PolyAIのビジョンは常にAIボイスを非常にリアルにし、すべての企業がそれらを使いたくなるようにすることでした。PolyAIは単純なアイデアから始まりました。人間のように聞こえるべきだ、というものです。私たちはそのアイデアを現実にし、さらに大きなものにつながりました。それがagentic enterpriseの出現です。これは、生きて呼吸するシステムで、顧客、従業員、AIエージェントがリアルタイムで何をしているかを理解します。」PolyAIの共同創業者兼CEOは述べています。
PolyAIは現在、California最大のエネルギー企業Pacific Gas and Electric向けの停電に関する顧客通話、イタリアの銀行UniCredit向けの新規および紛失クレジットカードの問い合わせ、そしてCaesarsやGolden NuggetといったLas Vegasのカジノのレストラン予約などを処理しています。
「ボイスAIは単に人間のエージェントを置き換えてコスト削減するためのものではなく、人間では経済的に処理できないタスクを自動化することで企業が収益を向上させる手助けをするものです。私たちのAIはすべての電話に応答し、常に予約を取り、アップセルを忘れません。企業が自らのベストバージョンになることを支援します。」と同氏は述べています。
以前AppleのSiriのボイスアシスタントに携わっていた同氏は、PolyAIの声のリアルさと柔軟性が、過去1年での大幅な売上成長につながったと述べました。また、同社が今年度の年換算経常収益(ARR)を$40M超へと倍増させる見込みであり、米国クライアント向けの売上は3倍になると語りました。
PolyAIは英国に拠点があるため財務記録の公開が義務付けられており、それによると同社の収益は、2024年1月31日で終わる12カ月間の$8.9Mから、今年同期間末には$15M超へと成長しています。PolyAIには米国の複数のボイスAIスタートアップが競合として存在し、それらも直近に巨額の資金調達を実施しています。
例えば、Sierra Technologiesは9月に$350Mの大型調達をクローズし、評価額は$10B超となりました。一方San Francisco拠点のDecagon AIは6月のラウンドで$131Mを調達し、評価額は$1.5Bとなりました。欧州でも競争があり、パリ拠点のParloaは5月に$1B評価で$120Mを調達しました。
PolyAIと競合他社の主な違いの1つは、PolyAIが独自のLLMを開発している点であり、それがリアルさの面で優位性をもたらしていると述べています。競合他社はOpenAIやEleven Labsのような音声特化AIスタートアップのLLMを単に利用しているだけです。
PolyAIの$750M評価額は、売上の25倍という比較的控えめな倍率に基づいていますが、米国の競合企業の中には売上の100倍で評価されている企業もいます。とはいえ、これらはいずれも従来の上場ソフトウェア企業と比べてはるかに高く、そちらは通常8倍前後の売上倍率です。
「世界最大のブランドにとって、カスタマーサービスはもはや単なるコストセンターではなく、価値創造の大きな機会です。PolyAIがエンタープライズ規模でリアルなボイスエージェントを展開できることは、大幅なコスト削減と収益をもたらします。」とリード投資家で今回が2回目の投資となるGeorgianは述べています。
PolyAIは今後、自社のAgent Studioプラットフォームを支える独自技術のさらなる開発およびgo-to-marketチームの拡大に資金を投入する計画です。
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