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2025/12/18

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CleanTechのFortera、低炭素セメントReActがASTM C1157の6カテゴリ全てを同時に満たす初の製品に認定

低炭素セメントを手がけるForteraは、同社のReActがASTM C1157の6つの性能カテゴリを同時に満たす、初めての低炭素セメントになったと発表しました。ReActは、ポルトランドセメントと同等のコスト水準を達成しつつ、よりエネルギー効率の高い製造プロセスによりCO₂排出量を最大70%削減できるとされています。さらに、通常ポルトランドセメントが28日かけて到達する圧縮強度に、ReActは2日で到達するとしており、施工のスピードと工程設計にも影響を与え得るとしています。

 

ASTM C1157は、化学組成ではなく測定可能な成果でセメント性能を評価するパフォーマンスベースの規格です。圧縮強度、空気量、凝結時間、粉末度、密度、水和熱、モルタル膨張、硫酸塩膨張といった要素を対象にし、一般用途、高早強、耐硫酸塩(中・高)、水和熱(中・低)の合計6カテゴリが定義されています。Forteraは、Construction Testing Servicesによる独立試験で、ReActが規格の8つの試験要件を満たし、6カテゴリ全てに適合したと説明しています。従来は用途ごとに複数種類のセメントや配合を使い分ける必要がありましたが、1つの配合で6カテゴリをカバーできることで、調達の複雑性を下げ、ミックスデザインを簡素化し、施工会社が複数の結合材を使い分ける負担を軽減できるとしています。

 

ForteraのProducts担当VPであるCraig Hargis氏は、低炭素材料は性能かコストのどちらかを妥協するものだという見方が長年あったと述べ、ReActは強度と耐久性の要件を満たしながら、いわゆるグリーンプレミアムを回避し、既存の仕様やインフラにそのまま適合できる点を示したと強調しています。ReActの性能面の特徴は、鉱物化によって工業由来のCO₂を取り込み生成される独自の炭酸カルシウム構造に由来するとされ、28日相当の強度を2日で実現することに加え、化学的耐久性によってコンクリートインフラで起こりがちな劣化メカニズムを抑え、乾燥収縮が小さいことでひび割れを減らし、長期的な健全性を高めるとしています。

 

ReActはForteraのReCarb技術で製造され、既存のセメント製造設備と統合できる形で、産業由来CO₂排出をそのまま利用可能なセメントへ変換します。従来より低いキルン温度で稼働できるエネルギー効率の高い工程により、キルン、石灰石採掘、流通網を置き換えずに排出削減を実現できる点を訴求しています。ReActは単独のセメントとして使えるだけでなく、普通セメントや他の補助セメント材料(SCM)とブレンドして既存配合を強化し、凝結時間、施工性、強度の最適化にも活用できるとしています。

Forteraはカリフォルニア州Reddingに年産1.5万トンの設備を運営し、グローバルで商用化パイプラインを進めています。ReActはすでに複数の実工事に投入されており、University of California, Berkeley、Simpson University、DPR Constructionなどとの案件実績があるとしています。品質面ではRedding工場でISO 9001:2015認証を取得し、AASHTOのラボ認定も保持していると述べています。

 

Forteraについて
Forteraは、既存のセメント工場に統合可能なReCarb技術により、廃棄CO₂を原料として低炭素セメントを製造するGreen Cement企業です。既存のキルンや石灰石、流通網を活用しながら、ポルトランドセメントと同等のコスト水準で、CO₂排出を最大70%削減できる技術を提供します。年産1.5万トンの設備で商用プロジェクトに継続的に供給しつつ、世界的な展開を進めています。

 

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