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AIプラットフォームのGlean、Work AI Instituteを設立し、エンタープライズ文脈を理解する自律型エージェントを発表
Work AIリーダーのGleanは、企業が「AIを業務の中核」に据えて運用する際に、何が実際に成果につながるのかを解き明かすことを目的とした研究組織「Work AI Institute」の立ち上げを発表しました。あわせて、組織の人・プロセス・システム・ナレッジを統合的に理解する基盤「Glean Enterprise Context」と、それを活用して自律的に判断・実行するエンタープライズ向け自律型エージェント群も公開しました。Gleanは、AIのインパクトは高性能なモデル単体ではなく、「文脈(コンテキスト)」にどれだけ根ざしているかで決まるという前提に立ち、研究とプロダクトの両面から、実験段階を超えたスケーラブルなインテリジェントオートメーションの実現を目指しています。
Work AI Instituteには、Stanford、Harvard、UC Berkeley、Notre Dame、University College London、Emory、UNC Charlotteといった大学の研究者が参加し、「AIを導入した現場で実際にうまく機能しているものは何か」という問いに取り組みます。初の主要レポート「The AI Transformation 100」では、Dr. Rebecca Hinds氏とStanfordのDr. Bob Sutton氏が、100人以上の経営者やテクノロジスト、研究者の実体験をもとに、AI活用のブレイクスルーと失敗、得られた教訓を100の実践的な戦略として整理しています。レポートでは、AIは壊れた仕組みを「修正」するのではなく増幅してしまうため、どこに適用するかが決定的に重要であること、人間ならではの判断や創造性まで自動化してしまうと仕事が空洞化すること、リーダー自身がAIツールを日常的に使うことで初めて組織に浸透すること、優れたAIも組織構造が適切でなければ機能不全に陥ること、そしてAIを「横取りのサイドプロジェクト」ではなく日々の業務フローに埋め込むことが成功の鍵であることなどが強調されています。Dr. Bob Sutton氏は、多くの企業が本質的なハードルを理解しないままAI導入を急いでいるとしたうえで、実際に成果を出している企業は、単に新しいツールを導入するのではなく、意思決定のプロセスやコラボレーションの仕方、仕事の流れそのものをAI前提で組み替えていると指摘しています。
同時にGleanは、エンタープライズの現場で実際に「自走するAI」を実現するため、Glean Enterprise Contextを基盤とした自律型エージェントを発表しました。新しいエージェントは、指示を解釈し、自ら判断して行動し、そのプロセスを説明できるよう設計されており、Salesforce、Jira、Confluence、GitHubなどのツールをまたいだエンドツーエンドの業務を自律的に完了します。Gleanのエージェントビルダーに追加されたオートモードを使うことで、専門的なスクリプトやワークフロー定義なしに、誰でも数分で自律型エージェントを構築できるようになっています。これを支えるGlean Enterprise Contextは、コネクタ、インデックス、メモリ、パーソナルおよびエンタープライズグラフ、アクション、ガバナンスを単一アーキテクチャに統合し、組織ごとのデータ構造や業務プロセスを継続的に学習することで、エージェントが組織固有の文脈を理解したうえで、意図に沿って安全かつ信頼性高く動作できるようにします。Microsoft Dynamics 365、Netsuite、Ironclad、Affinity、Procore、Canvaなどへの新たなネイティブ連携により、営業、ファイナンス、法務、デザイン、オペレーションまで自動化の範囲を拡大し、ツール検索機能によってタスクの意図に最適なアプリケーションとアクションをエージェント自身が選択できる点も特徴です。さらに、エージェントが本来のスコープから逸脱しないようにするアラインメントモデルや、誰がエージェントを作成・利用できるかを制御する管理機能、ユーザ権限やGoogle Drive・Microsoft Purviewの機密ラベル、動的な機密コンテンツ検知などの多層的なデータ保護により、企業はアシスタントレベルの活用から、自律型エージェントによる本格的な業務自動化までを、安全性と透明性を保ちながら段階的に拡張できるようになっています。
Gleanについて
Gleanは、あらゆる人がAIを活用してより賢く働けるよう支援するWork AIプラットフォームです。Glean Assistantは、Enterprise Graphを通じて社内のデータやナレッジを理解するエンタープライズAIアシスタントを従業員一人ひとりに提供し、Glean Agentsは自然言語での指示だけでAIエージェントの作成・利用・管理を可能にします。Gleanの検索およびエージェントエンジンにより、100以上のコネクタでつながる社内ツール群を横断した業務自動化を実現しつつ、権限管理、参照性、ガバナンス、セキュリティを担保します。LLMの選択肢とカスタマイズ用APIを備え、高価なプロフェッショナルサービスを必要としないGleanは、複雑なAIエコシステムを単一の水平プラットフォーム上でスケーラブルに実装できるソリューションとして、世界中の企業に採用されています。
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