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OhioHealth、AbridgeのAI診療会話プラットフォームを200以上の外来拠点へ全社展開 医師の事務負担軽減とケアの質向上を両立
オハイオ州を拠点とする非営利ヘルスシステムOhioHealthは、Abridgeのエンタープライズ向けAIプラットフォームを、外来診療に携わる数千人規模の臨床医へと本格展開すると発表しました。ユナイテッド・メソジスト教会系のチャリタブルな医療ネットワークである同法人は、厳格な比較評価とパイロット導入を経て、Abridgeの採用拡大を決定したものです。OhioHealthは毎年、200カ所以上の外来診療拠点で160万人超の患者に医療を提供しており、今回の導入は、医師の事務負担を減らしながらケアの質を維持・向上させる取り組みの一環です。
パイロットに参加した臨床医からは、認知的負荷が59%低減し、勤務時間外にカルテ記載に費やす時間が28%減少したとの報告があり、診察中に患者へ「完全に注意を向けられる」感覚が大きく高まったとされています。OhioHealthのMedical Director of Clinical InformaticsであるDr. Andrew Narcelles氏は、「テクノロジーは、ケアの中心にある“人と人とのつながり”を支えるべきだと考えています。Abridgeとの協業により、医師の事務負担が軽減され、コンピュータ画面ではなく患者さんと向き合う時間が増えています」とコメントしています。
当初、プライマリケア、ウィメンズヘルス、神経内科の臨床医を対象に導入を開始したOhioHealthは、今回、腫瘍、循環器(心臓・血管)、外科、急性期ケア、研修医教育(Graduate Medical Education)など、すべての外来プロバイダーに展開範囲を拡大します。16病院からなる同ヘルスシステムは、今後、看護、救急医療、入院診療など他のユースケースでもAbridge活用の可能性を検討しているとしています。OhioHealthのVice President of Information Technology Strategy & ArchitectureであるAndrea Darby氏は、「慎重な評価の結果、Abridgeはノートの質やEHR統合の優秀さに加え、チームとしての応答性や柔軟性という面でも際立っていました。このパートナーシップは、イノベーションが本当にケアチームと地域コミュニティの支えとなる未来をつくるという、当院の長期ビジョンと価値観を体現するものです」と述べています。
OhioHealthはまた、Abridgeが今後ロードマップとして掲げる新機能――たとえば、診察中の会話の中でリアルタイムに事前承認(prior authorization)を通せるようにする仕組みなど――との方向性も一致しているとしています。AbridgeのCEO兼Co-FounderであるDr. Shiv Rao氏は、「OhioHealthはAbridgeの選定にあたり非常に厳格なプロセスを踏みましたが、今は非常に速いペースでスケールしています。これは単にテクノロジーを拡大しているのではなく、『信頼をスケールさせている』のです」と強調し、「臨床スタッフのウェルビーイングとコミュニティへのインパクトに根ざしたイノベーションが、何を実現できるかを示す取り組みだ」と述べています。
Abridgeについて
Abridgeは2018年に設立されたAIヘルス企業で、診察時の医師–患者会話をその場で臨床的に有用かつ請求可能なドキュメントへと変換するエンタープライズ向けAIプラットフォームを提供しています。外来・救急・入院など50以上の診療科と多様なケア環境で利用されており、28言語以上に対応しながら、医師の事務作業とバーンアウトを軽減し、患者体験を向上させています。EHRとの深い統合に加え、「Linked Evidence」によりAI生成サマリーと元データを1対1でマッピングできる独自機能を備えており、医師が出力を迅速に“信頼し、検証できる”唯一のソリューションとされています。ヘルスケア向け生成AIのパイオニアとして、AbridgeはBest in KLAS 2025(Ambient AI部門)、Forbes 2025 AI 50、TIME Best Inventions 2024、Fortune AI 50 Innovators 2024など、数多くの賞やリストに選出されています。
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