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Bio免疫のOuro Medicines、免疫性血小板減少症向け二重特異抗体GamgertamigがFDAオーファンドラッグ指定を取得
Ouro Medicinesは、慢性の免疫介在性疾患に対する「免疫リセット」治療薬の開発を行うバイオテクノロジー企業として、同社のBCMA×CD3 T細胞エンゲージャ抗体候補Gamgertamig(OM336)が、免疫性血小板減少症(ITP)を対象とする開発品として米国食品医薬品局(FDA)よりオーファンドラッグ指定(ODD)を受けたと発表しました。ITPは自己抗体が血小板を破壊する自己免疫疾患で、出血症状や強い倦怠感などを引き起こします。
今回の指定により、Gamgertamigは現在進行中の自己免疫性細胞減少症(autoimmune cytopenias)を対象とした第1b相バスケット試験内で、2つ目の適応でODDを取得したことになります。CEOのJaideep Dudani氏(Ph.D.)は、「2つ目のオーファンドラッグ指定は、GamgertamigがITP領域のアンメットニーズに応え得る有望な候補であることを強く裏付けるものです。免疫リセットという差別化されたメカニズムを持つ本剤は、今後も重要な臨床データの蓄積が期待されます。現在、第1コホートの投与は完了しており、第2コホートの組み入れも進行中で、2026年の試験結果公表を見込んでいます」と述べています。
FDAのODDプログラムは、米国内の患者数が20万人未満の希少疾患を対象とした治療薬・予防薬・診断薬の開発を促進するための制度であり、承認後に最長7年間の市場独占権などのインセンティブが付与されます。Gamgertamigの自己免疫性細胞減少症バスケット試験(NCT07083960)は、米国およびオーストラリアで実施中の第1b相オープンラベル多施設試験で、再発・難治性のITP、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、または両方を有する成人患者を対象に、安全性・忍容性・薬物動態(PK)を評価しています。臨床効果や血中バイオマーカーなどは探索的評価項目として設定されており、Gamgertamigは用量漸増コホートで皮下投与され、主要評価項目は投与12週時点で評価されます。
Gamgertamig(OM336)は、BCMAを発現する細胞に対してT細胞依存性細胞傷害(T cell-dependent cellular cytotoxicity)を誘導するよう設計された二重特異性抗体で、自己抗体産生を通じて特定の免疫介在性疾患を駆動すると考えられる細胞集団を選択的に枯渇させることを狙いとしています。これにより、従来の広範な免疫抑制療法が抱える長期的な有害事象を回避しつつ、持続的な症状緩和(durable remission)をもたらす可能性があります。また、GamgertamigのCD3側アームはT細胞サイトカインの誘導を抑えた「detuned」設計となっており、標的細胞枯渇能力を維持しながら過度な免疫活性化を回避することで、治療域の拡大に寄与すると期待されています。長い半減期を持つことから皮下投与が可能であり、安全性・忍容性に寄与する追加の特性も有するとされています。Gamgertamigはこれまで、がん領域および免疫介在性疾患領域で、医師主導および企業主導の臨床試験を通じて評価が行われており、その特性と応用可能性に関する知見が蓄積されています。今回のITPに加え、自己免疫性溶血性貧血(AIHA)を対象とする開発品としてもFDA ODDを取得済みです。
Ouro Medicinesについて
Ouro Medicinesは、慢性の免疫介在性疾患患者向けに「免疫リセット」治療薬の開発に取り組むバイオテクノロジー企業です。特にB細胞が関与する疾患領域でT細胞エンゲージャを活用し、継続的な免疫抑制に頼ることなく長期寛解を目指すアプローチをとっています。サンフランシスコに本社を置き、2025年にMonograph CapitalとGSKのパートナーシップのもと設立されました。TPG、NEA、Norwestなどの著名投資家からの支援を受けながら、Gamgertamig(OM336)をはじめとする免疫リセット治療薬の開発パイプラインを推進しています。
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