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TravelTechのKlook、米国IPOに向けNYSE上場を申請
アジア発の体験予約プラットフォームKlookは、米国証券取引委員会(SEC)にForm F-1を提出し、ニューヨーク証券取引所への上場(ティッカーシンボル「KLK」)を申請したと発表しました。主幹事にはGoldman Sachs(Asia)、J.P. Morgan、Morgan Stanleyが名を連ねており、売出株数や価格レンジは現時点では開示されていません。Klookは、2023年末にBessemer Venture Partnersが主導したシリーズE+ラウンドで$210Mを調達し、2024年2月にはVitruvian Partnersから$100Mを追加調達するなど、アジア太平洋地域を中心に事業拡大と若年層旅行者の獲得を加速させてきました。
共同創業者のEthan Lin、Eric Gnock Fah、Bernie XiongはSECへの書簡の中で、体験領域は「トラベルのなかで最も成長の速い分野」と位置づけ、2014年創業以降、この市場機会を取り込む戦略を強調しています。一方で、同社はリスク要因の要約において「累積赤字の歴史があり、近い将来の黒字化が保証されているわけではない」とも明記しています。2024年は売上が$417.1Mとなり前年比24.4%増と成長を示したものの、$99.3Mの損失を計上しています。Linは2024年末時点では、上場は準備負荷が高いため優先事項ではないと語っていましたが、足元では米国のIPO市場が改善し、2024年のIPOによる調達額が前年から75%増加するなど、投資家心理も好転してきました。
投資家の間ではトラベル関連のIPO市場に対する見方は割れていたものの、Queen’s Road CapitalのFritz Demopoulosが「有望な企業をパブリックマーケットに呼び込む動きが強まっている」と述べるなど、米国市場の回復を指摘する声もありました。GaingelsのManaging DirectorであるLorenzo Thioneも、革新的なビジネスモデルを持つ新興企業への投資機会が不足していた市場に再び窓が開きつつあるとコメントしています。実際、経費精算・出張管理プラットフォームのNavan(旧TripActions)が直近で$25の公開価格で上場を果たしており、Klookの米国IPO申請は、こうした流れに呼応する動きと見ることができます。
Klookについて
Klookは2014年に設立されたアジア発の体験予約プラットフォームです。現地ツアー、アクティビティ、チケット、交通機関など、旅行中の「コト消費」をオンラインで検索・予約できるサービスを提供し、特にデジタルネイティブな若年層旅行者を主要ターゲットとしています。アジア太平洋を中心にグローバルへ展開しており、資金調達を通じてプロダクト強化とマーケティング投資を進めながら、体験領域を軸にした成長戦略を描いています。
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