Startup Portfolio
AI AgentのScaled Cognition 新モデル「APT-1」を発表、エージェント特化型ベンチマークで従来モデルを凌駕
Scaled Cognitionは、エージェント専用に設計された新しいモデリング手法「Agentic Pretrained Transformer(APT)」を発表しました。初のシステム「APT-1」は、Tau-BenchやComplexFuncBenchといった最難関のエージェント特化型ベンチマークで既存の基盤モデルを上回る性能を示しました。APT-1および開発者向けの「Agent Builder」環境は研究プレビューとして公開されており、同社はKhosla Venturesの支援を受け、Vinod Khosla氏が取締役に就任しています。
APTは、従来のLLMが「トークン予測」を中心に設計されているのに対し、「意思決定とアクション実行」に焦点を当てています。会話だけでなく保険請求の処理やフライト予約、返金処理など、現実世界で行動するエージェントを実現するために、同社は合成データ生成、行動モデリング、強化学習によるシミュレーションなどを統合。従来のWeb由来データに欠けていた「文脈に基づいた行動データ」を合成することで、より信頼性の高い訓練を可能にしました。さらに、エージェント間のセルフプレイを応用し、複雑な現実的タスクに対応できる強靭なモデルを構築しています。
APT-1は、決定論的な動作、幻覚の少なさ、業務ロジックに基づく厳密な意思決定を特徴としており、追加のファインチューニングなしで導入が可能です。まずはカスタマーサポート分野への展開を開始し、今後は他の業種にも拡大予定です。同時に発表された「Agent Builder」は、エンタープライズ向けエージェントを1時間以内で開発・テスト・デプロイ可能にするツールです。ビジネスロジックを取り込み、構造化された仕様を自動生成するほか、GenAPI技術により実際のAPI統合なしで挙動テストが可能です。APT対応エージェントはオンプレミス、VPC、ホスティングサービスで展開でき、テキスト・音声・多言語に対応しています。Scaled CognitionのチームはMicrosoft、Google、Allen Institute for AIなどの研究機関や、UC Berkeley、CMU、Stanford、MITといった大学出身の専門家で構成されています。共同創業者にはSemantic MachinesをMicrosoftに売却した経験を持つメンバーもおり、長年にわたりエージェントAIの基盤を築いてきた実績を持ちます。
Scaled Cognitionについて
Scaled Cognitionは、エージェントAIに特化した新しいAIモデリング手法「APT」を開発するスタートアップです。従来のLLMが抱える「会話中心」から「行動中心」への転換を目指し、合成データ生成やエージェント間セルフプレイなどの革新的手法を導入しています。Khosla Venturesの支援を受け、MicrosoftやGoogleなどトップ研究機関出身の専門家によるチームで、企業向けに信頼性と実用性を備えた次世代エージェントを提供しています。
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