Startup Portfolio
Precision OncologyのOncoHost、EUの助成金250万ユーロを獲得—免疫療法の治療効果予測に革新
精密がん医療(Precision Oncology)を推進するテクノロジースタートアップのOncoHostは、ドイツのハイデルベルク大学病院、イタリアのヨーロッパ腫瘍研究所(European Institute of Oncology)、スペインのVirgen Macarena大学病院と共同で、EUの研究開発助成プログラム「EIC Transition Programme」より250万ユーロの助成金を獲得しました。この助成金は、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の治療効果を予測する新たなバイオマーカーの開発に使用されます。対象疾患は非小細胞肺がん(NSCLC)、腎細胞がん(RCC)、メラノーマ、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)、トリプルネガティブ乳がんの5種類です。コンソーシアムは2025年5月からOncoHostを中心に開始されます。
現在、免疫療法はがん治療に大きな変革をもたらしていますが、その効果が得られる患者は限定的であり、予測精度の高いバイオマーカーの開発が強く求められています。今回の研究では、血中に存在するLy6Eという特定のマーカーを高発現する好中球(Ly6Ehi好中球)が、免疫療法の効果を事前に高精度で予測できることが示されています。この成果を基に、「NeutroFlow」と呼ばれる新たな診断法が開発されます。これは医療現場に普及しているフローサイトメトリー装置を使い、簡単かつ迅速にこの特殊な好中球を測定し、患者がICI治療に反応するかどうかを事前に予測できるようにするものです。
OncoHostのCEO、Ofer Sharon氏は「免疫療法の効果を高精度で予測するバイオマーカーの不足は、腫瘍免疫学の分野における重大な課題です。当社は革新を続け、PROphet®プラットフォームをさらに拡張し、医療従事者に高度な診断ツールを提供していきます」と述べました。また、ヨーロッパ腫瘍研究所のFrancesco Bertolini教授は、「今回のプロジェクトは、実験的研究を臨床応用へと迅速に結びつける極めて貴重な機会であり、患者に最適な治療法を選択し、副作用を回避できる可能性をもたらします」と語っています。このコンソーシアムでは、研究成果を迅速に臨床現場に導入するために、異なる専門領域の研究者や医師が協力して取り組みます。
OncoHostについて
OncoHostはイスラエルのビニヤミナと米国ノースカロライナ州ケアリーを拠点に、精密医療の分野でがん治療の革新を目指すテクノロジースタートアップです。独自のプラズマプロテオミクス解析プラットフォーム「PROphet®」を展開し、特に非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象にした血液検査「PROphetNSCLC™」を通じて、患者一人ひとりに最適な免疫療法の選択を支援しています。世界40以上の医療機関と1,700人以上の患者が参加する大規模臨床試験により、次世代のがん診断・バイオマーカー開発をリードしています。
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