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次世代AI向け光集積チップのLightmatter、高速データ転送技術「Passage L200」を発表
フォトニクス(光学)コンピューティング分野をリードするLightmatterは、AI向けに世界最高速の光集積データ転送チップ「Passage L200」を発表しました。これは世界初となる3D積層型のCo-Packaged Optics(CPO)技術を採用した製品で、次世代のAIモデル開発において性能向上を阻むボトルネックとなっているデータ転送速度の問題を根本的に解決します。
Passage L200は、従来型CPO製品の5〜10倍にあたる最大64Tbpsの帯域幅を実現します。この技術革新により、チップパッケージあたり200Tbpsを超える入出力性能を可能とし、高度なAIモデルのトレーニング時間を最大8倍高速化できます。従来の通信インターフェースがチップの周辺部(エッジ)に制限されていたのに対し、L200は業界初となるチップ全面でのI/O転送を可能にしました。
この製品はAlphawave Semiの最先端チップレット技術を活用し、UCIeインターフェースを通じて標準化された3D積層型シリコンフォトニクス回路(PIC)に電気集積回路(EIC)を統合しています。これにより、従来型の光トランシーバー40個分に匹敵する帯域幅を1つのL200で提供し、複数のL200を組み合わせることも可能です。
CEOのNick Harris氏は「データ転送速度の限界が、現在AI性能向上の最大の障壁となっています。Passage L200はこの課題を解決するための重要なイノベーションです」と述べました。また、Alphawave SemiのCEOであるTony Pialis氏は「両社の技術を融合することで、次世代のAIインフラを大きく前進させることができます」とコメントしています。
Passage L200シリーズは2026年の提供開始予定で、シリコンフォトニクス製造分野の世界的企業であるGlobal Foundries、ASE、Amkorなどと提携し、大規模な量産体制を整備しています。
Lightmatterについて
Lightmatterは、AIデータセンター向けの革新的なフォトニクス技術を提供する企業です。AIプロセッサ間のデータ転送を光速で行う3D積層シリコンフォトニクスエンジン「Passage」プラットフォームを開発し、データ転送のボトルネックを解消しています。これにより、次世代AIモデル開発の効率性やスケーラビリティを劇的に向上させ、AIおよび高性能コンピューティング分野の発展に貢献しています。
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