産業機器メンテナンスのTractian、Oracleと協力し製造業向けの高精度AIソリューションを提供

製造業向けにAIを活用した設備の状態監視および資産パフォーマンス管理ソフトウェアを提供するTractianは、Oracleとの提携を発表しました。今回の協力によりTractianは、Oracleのクラウド基盤（OCI）を利用し、製造業界向けの専門的なAIモデルの開発と展開を加速させ、「Industrial Copilot」として業界標準を目指します。

Tractianは、製造現場特有の課題に対応した特化型AIモデルを開発しています。汎用AIモデルとは異なり、業界特有のニーズに応じた精密で実行可能な洞察を提供し、生産性の向上や設備のダウンタイム削減に貢献しています。今回、TractianはOCIのAIインフラとNVIDIA H200 GPUを利用することで、自社のAIモデルの信頼性、安定性、および拡張性を向上させ、より高度なAIモデルを迅速に構築・展開できるようになります。

Tractianのエンジニアリングディレクター、JP Voltani氏は、「製造業界は非常に実務的であり、エラーの余地がありません。OCIの活用により、セキュリティの強化と同時に、製造業界特有の課題に適合したAIモデルの開発が可能になりました」と述べています。また、OCIを通じて、Tractianの顧客は設備メンテナンスに必要なメーカー純正のデータシートや交換部品の情報、潤滑剤や点検手順などを瞬時に入手できます。さらに、技術者がTractianのAIシステムに質問すると、数秒以内にメーカー推奨の正確な指示を得られるため、メンテナンスの効率化、人的ミスの削減、およびダウンタイムの最小化につながります。

OracleのAI・クラウドインフラ担当副社長、Leandro Vieira氏は「Tractianとの協力により、汎用的な枠組みを業界特有のソリューションに変換し、顧客の効率性向上を実現します」と述べています。また、NVIDIAラテンアメリカのエンタープライズ部門ディレクター、Marcio Aguiar氏は「高性能なインフラと専門知識を組み合わせることで、より精密で効率的なAIソリューションを実現できます」と述べました。今回の提携により、製造業界においてAI技術を用いた設備管理やメンテナンスの精度が一段と向上し、企業は競争力を高めることが可能になります。

Tractianについて
Tractianは製造業界向けに設備メンテナンスと信頼性向上を支援する「Industrial Copilot」としてのプラットフォームを提供する企業です。AI技術を駆使し、設備の予期せぬダウンタイムを防ぎ、生産能力の最大化を支援しています。本社は米国アトランタにあり、メキシコシティ、サンパウロにも拠点を構えてグローバルに事業を展開しています。