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2025/03/14

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Gene TherapyのSpliceBio、スタルガルト病向けデュアルAAV遺伝子治療「SB-007」のフェーズ1/2試験で初の患者投与を実施

SpliceBioは、大きな遺伝子変異による疾患に対処するためのプロテイン・スプライシング技術を開発する臨床段階の遺伝子医薬企業として、Stargardt(スタルガルト)病を対象としたデュアルAAVベクター「SB-007」のフェーズ1/2臨床試験(ASTRA試験)において、初の患者への投与を実施したと発表しました。スタルガルト病はABCA4遺伝子の変異に起因する遺伝性網膜疾患で、小児期から中心視力が徐々に低下し、最終的に失明に至る可能性があります。現在、この疾患には承認された治療法が存在しません。

 

SpliceBioのCEO兼共同創業者であるMiquel Vila-Perelló博士は、「スタルガルト病の原因であるABCA4遺伝子はサイズが大きく、従来の遺伝子治療では対応が困難でした。しかしSB-007は、ABCA4遺伝子の全長タンパク質をあらゆるスタルガルト病患者で発現させるよう設計されており、今回のASTRA試験はその第一歩です。スタルガルト病患者の方々が切望している治療法を届けるための重要なマイルストーンとなりました」と述べています。

ASTRA試験の主任研究者であり、オレゴン健康科学大学Casey Eye InstituteのPaul H. Casey Ophthalmic Genetics Divisionを率いるPaul Yang医師(M.D., Ph.D.)は、「治療法のないスタルガルト病に対して、デュアルAAVベクターを用いた遺伝子治療の臨床研究が始まったことは、将来的にこの疾患を克服できる可能性を示す重要な前進です。SpliceBioとの連携を通じて、スタルガルト病患者に希望をもたらす研究を進めたい」とコメントしています。

さらにSpliceBioのChief Medical OfficerであるAniz Girach医師は、「SB-007の単回投与により、すべてのABCA4変異を対象としたスタルガルト病の根治的アプローチが可能になります。フェーズ1/2のASTRA試験では、安全性と有効性を評価するとともに、POLARISと呼ばれる自然歴研究も並行して行い、疾患の進行や評価項目を詳細に解析していきます。今後、学会等でのデータ発表を予定しており、本治療法がスタルガルト病に対する有効かつ安全な選択肢となることを目指します」と述べました。

SpliceBioはASTRA試験とともに、POLARIS試験を実施しており、スタルガルト病の患者の疾患進行や評価項目を自然歴の観点からモニタリングすることで、今後の治療開発に必要な知見を蓄積しています。

 

SpliceBioについて
SpliceBioは、プロテイン・スプライシング技術を駆使した新世代の遺伝子医薬を開発する臨床段階のバイオテクノロジースタートアップです。大きな遺伝子の変異を原因とする疾患に焦点を当て、デュアルAAVなどの革新的ベクター設計により、高度な遺伝子治療の実現を目指しています。今回、スタルガルト病向けSB-007のフェーズ1/2試験を開始し、自然歴研究POLARISとあわせて、治療法の確立に取り組んでいます。

 

TagsBioTech

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