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BioTechのEikon Therapeutics、Nature Methodsに「Oblique Line Scan」技術に関する研究成果を発表
Eikon Therapeuticsは、創薬の加速を目指す臨床段階のバイオテクノロジー企業であり、最先端のエンジニアリングと分子・細胞生物学を融合した技術開発を進めています。同社は、新たにNature Methodsに「Oblique Line Scan(OLS)」技術に関する研究論文が掲載されたことを発表しました。この技術は、Eikonのシングルモレキュールトラッキング(SMT)プラットフォームと組み合わせることで、創薬ターゲットの解析を大幅に向上させ、細胞レベルでの薬剤候補の影響を明らかにする高スループットシステムを実現します。
Eikon TherapeuticsのCEO兼会長であるRoger Perlmutter氏は、「EikonのSMTプラットフォームは、高次元のデータを生成し、大規模なタンパク質集団における個々の分子の運動特性を精密に定量化することが可能です。OLS技術は、基礎生物学、創薬、システム生物学の分野で画期的な進展をもたらす重要な技術革新です。私たちは毎日ペタバイト規模のデータを取得しており、Eikonは世界最大級のデータプロデューサーの一つとなっています。この圧倒的なスループットは、細胞生物学と創薬の新たな地平を開くものです」と述べています。
従来のシングルモレキュールローカリゼーション顕微鏡(SMLM)は、タンパク質の動態を解析する上で有用ですが、低スループットや照射ムラ、技術的バイアスといった課題がありました。OLS技術はこれらの問題を解決し、ナノスケールの空間分解能とミリ秒未満の時間分解能を備えた広範な視野を実現します。Nature Methodsの論文では、SMTプラットフォームとOLS技術を組み合わせることで、生細胞内のタンパク質移動速度を最大14平方マイクロメートル/秒で評価できることが示されました。また、このプラットフォームは、細胞外でのリガンド・タンパク質やタンパク質間相互作用の速度定数を精密に測定する「in-solution SMT(isSMT)」も可能にします。Eikon Therapeuticsの最高技術責任者(CTO)であるRuss Berman氏は、「Eikonの初期段階で、従来のイメージング技術ではタンパク質のダイナミクスを正確に測定するには不十分であることが分かりました。OLS技術は、視野、光学性能、露光時間、照射均一性を向上させることで、統計的な測定精度を大幅に向上させます。これにより、少数派の高速移動タンパク質の特性を高い信頼性で解析できるようになりました」と述べています。さらに、Eikon Therapeuticsの最高科学責任者(CSO)であるDan Anderson氏は、「OLSは単なる技術革新ではなく、タンパク質可視化と創薬応用の橋渡しをする革新的なツールです。その精度とスケーラビリティにより、基礎生物学の理解を深めると同時に、高スループットの創薬スクリーニングを加速します。OLSは、候補化合物の構造活性相関(SAR)を迅速に評価するための強力なツールとなり、当社の創薬パイプラインを大きく前進させることができます」と述べています。
Eikonの自動化されたSMTプラットフォームは、1秒以内に数万のタンパク質を追跡し、高次元のデータを生成します。このデータを分析する独自のアルゴリズムにより、薬剤候補と標的タンパク質の結合・解離速度や拡散速度、局在性、角運動性、プロセシビティ(連続性)などを詳細に解析できます。また、細胞内のあらゆる区画で瞬時にタンパク質濃度を測定することも可能です。この高スループット技術は、ゲノムワイドな遺伝子スクリーニングを加速し、がん免疫学や神経科学など、さまざまな治療領域における創薬研究を推進します。
Eikon Therapeuticsについて
Eikon Therapeuticsは、科学とエンジニアリングを融合し、画期的な新薬の開発を推進する企業です。ノーベル賞受賞技術である超解像顕微鏡、高度なエンジニアリング技術、ハイパフォーマンスコンピューティングを活用し、生細胞内のタンパク質のリアルタイム挙動を可視化・解析する独自の創薬プラットフォームを提供しています。Eikonは、カリフォルニア州、ニュージャージー州、ニューヨーク州に拠点を構え、革新的な治療薬の開発を進めています。
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