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BioTechのMaze Therapeutics、MZE829の第2相HORIZON試験を開始—APOL1腎疾患治療の新たな可能性
Maze Therapeuticsは、APOL1腎疾患(AKD)の治療候補として開発中のMZE829の第2相臨床試験「HORIZON Study」において、最初の患者への投与を開始したと発表した。MZE829は経口のAPOL1阻害剤であり、Maze Therapeuticsはこの新薬を疾患修飾療法(disease-modifying therapy)として開発している。AKDは慢性腎疾患(CKD)の一種で、米国だけで100万人以上が罹患していると推定される。
HORIZON Studyはオープンラベルのバスケットデザイン試験であり、APOL1のG1およびG2変異を持つAKD患者を対象としている。さらに、2型糖尿病患者も試験に組み込まれる。この試験の特徴として、より重篤な病態(ネフローゼ範囲の蛋白尿)を持つ患者や高血圧性腎症、糖尿病性腎疾患を有する患者も含めた広範な患者層を対象とし、MZE829の効果を多角的に検証する。Maze TherapeuticsのR&D部門プレジデント兼最高医療責任者(CMO)であるHarold Bernstein氏は次のように述べた。
「HORIZON Studyは、既存の狭い患者層に限定されない広範なAKD患者を対象とし、MZE829の有効性と適応可能な患者群を明確にすることを目的としています。この試験が疾患修飾療法としてのMZE829の可能性を示し、AKD治療に新たな希望をもたらすことを期待しています。」
HORIZON Studyの主要評価項目は、尿中アルブミン/クレアチニン比(uACR)の30%以上の減少率であり、12週間後の効果を評価する。外部の研究では、この指標が臨床的に有意な腎機能改善をもたらす可能性があるとされている。Maze Therapeuticsは2026年第1四半期に中間解析結果を発表予定としている。同社は2024年8月からAPOL1変異(G1およびG2)を持つ黒人およびアフリカ系アメリカ人の患者を特定するための臨床観察研究を実施しており、今後の臨床試験とバイオマーカー研究の基盤として活用する。
Maze Therapeuticsについて
Maze Therapeuticsは、人類遺伝学の力を活用し、腎疾患や心血管疾患、代謝性疾患のための新規分子標的治療薬を開発する臨床段階のバイオ医薬企業である。独自のCompassプラットフォームを活用し、疾患に関与する遺伝的変異を解析し、それに関連する生物学的経路を特定することで、より効果的な治療法の開発を進めている。現在、MZE829とMZE782を主力開発プログラムとして推進しており、特にMZE829はAKDに対する精密医療(Precision Medicine)として期待されている。
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