音声AIソリューションを提供する"ElevenLabs"がSeries Cで$180Mを調達し、評価額は1年前の3倍となる$3.3Bへ拡大

ElevenLabsは、a16zとICONIQ Growthがリードし、新規投資家のNEA、WiL、Valorなどや既存投資家のSequoia Capital、Salesforce Venturesなど参加したSeries Cで$180Mを調達し、評価額は$3.3Bとなり、1年前の3倍に成長しました。同社のこれまでの資金調達総額は2022年の創業以来、4回のラウンドを通じて$281Mに達しました。さらに、Deutsche Telekom、LG Technology Ventures、HubSpot Ventures、NTT DOCOMO Ventures、RingCentral Venturesといった戦略的投資家とも提携を進めています。

音声AIソリューションを提供するElevenLabsは、2023年1月にプラットフォームをローンチして以来、音声AIモデルの改良を重ね、新製品を導入してきました。その一例がConversational AIで、AIエージェントがリアルタイムで自然な会話を可能にします。また、モバイルアプリであるElevenReaderも提供しています。過去1年間で、ElevenLabsは製品ラインアップを拡充し、音声生成ツール、音声デザイン、効果音、AIを活用した32言語のダビング機能などを追加しました。

これらの技術は、クリエイター、開発者、企業によって、コンテンツ制作、カスタマーサポート、ゲーム、教育、アクセシビリティ向上などの用途に活用されています。

ElevenLabsは、大手企業や機関と提携しながら、消費者の需要増加を活かして成長しています。2023年1月以来、クリエイターはElevenLabsのVoice Libraryで5,000以上の音声を共有し、報酬として$2M以上を獲得しました。また、同社はImpact Programを立ち上げ、AI技術の恩恵を受けられる団体に無償で技術を提供する取り組みを進めています。このプログラムでは、アクセシビリティ、教育、文化の分野で80の団体と提携しました。

例えば、ElevenLabsはBridging VoiceやThe Scott Morgan Foundationと協力し、ALS患者向けのAI音声を提供しました。これまでに1,000人以上の発話障害を持つ人々が、自分の声を取り戻すことができました。また、文化分野では、ElevenLabsはKADISTやパリのCentre Pompidouと協力し、AI生成による演劇の実現を支援しました。さらに、ノルウェーやパキスタンの地域社会では、教育や起業支援を通じた社会貢献を進めています。

ElevenLabsは、地域ごとの特性を考慮した技術提供が重要であると考えています。そのため、ポーランドやインドへの進出を進め、AI人材と技術開発への投資を強化しています。新設されたワルシャワのR&Dセンターは、中東欧地域(CEE)の人材のハブとして機能し、インドチームはインド諸語対応の強化やAIプログラムの開発を担当します。

デジタルインタラクションは、リアルさや魅力に欠けることが多くあります。ElevenLabsは、それらをシームレスかつ表現力豊かにするソリューションを提供しています。その代表例がConversational AIツールであり、ローンチからわずか2カ月で25万以上のConversational AIエージェントが開発されました。また、Fortune 500企業の60%以上の従業員がElevenLabsのプラットフォームやAPIを利用しています。

ElevenLabsのAIモデルは、100万時間以上の音声ローカライズを実現し、ElevenReaderを通じて電子書籍、PDF、ニュース記事の朗読を100万時間以上提供しました。また、1,000万以上の効果音を生成し、AIオーディオの総計は1,000年分に相当する規模となりました。

ElevenLabsは、創業当初から一貫してAI研究企業であり続け、AI音声分野の発展を牽引していきます。CTOであり、TIME誌の「AI Top 100 Innovator」に選ばれたPiotr Dąbkowskiがリードする研究チームは、AI音声生成の技術革新に取り組んでいます。同社は過去1年間で従業員数を30人から120人へと拡大し、ロンドン、ニューヨーク、ワルシャワを主要拠点としています。

ElevenLabsは、世界で最も包括的なAIオーディオプラットフォームを構築し、AI音声の知能化を進め、すべての情報をあらゆる声・言語・音でアクセス可能にすることを目指しています。

新たな資金調達により、ElevenLabsは次世代のAIオーディオ技術の開発を加速させます。より表現力豊かで制御可能な音声AIの研究を支援し、グローバル規模で成長する開発者や企業向けのツールを拡充し、AIの安全性を強化します。研究開発を進める中で、ElevenLabsは技術革新を最大限に活用し、安全に展開する製品を構築する必要があると認識しています。

2025年に向けて、ElevenLabsはAIオーディオプラットフォームのコラボレーション機能を強化し、最先端の研究へのアクセスを拡大し、Conversational AIエージェントをさらに進化させ、モバイル向けのツールや機能を拡充してより幅広いユーザーに影響を与えることを目指します。また、世界中のあらゆる言語、アクセント、方言に対応できるよう取り組んでいます。アジア、LATAM、EMEAといった地域でのプレゼンスを強化し、より深い市場展開を進めています。