Startup Portfolio
AIセキュリティの新潮流:次世代アイデンティティセキュリティのAstrix Security、シリーズBで4500万ドルを調達
非人間アイデンティティ(NHI)のセキュリティに特化したAstrix Securityが、シリーズBで4500万ドルを調達したと発表しました。このラウンドはMenlo Venturesが主導し、Workday Venturesや既存投資家であるBessemer Venture Partners、CRV、F2 Venture Capitalも参加しました。この資金調達により、AstrixはAI時代の企業セキュリティの課題に対応し、非人間アイデンティティを含むすべてのアイデンティティの信頼性を確保するための革新的なインフラストラクチャを推進します。
AIが再定義する「労働力」とNHIセキュリティの必要性
Gartnerによると、2028年までに日常業務の少なくとも15%がエージェントAIによって自律的に決定されると予測されています。この「仮想社員」の普及は、従来のアイデンティティ管理手法の見直しを迫ります。一方、APIキーやサービスアカウントなどのNHIは、MicrosoftやOktaのケースを含むサイバー攻撃で繰り返し悪用されてきました。AIエージェントが広がる中で、これらのNHIのセキュリティ確保は急務となっています。
Astrix Securityの共同創業者兼CEOであるAlon Jackson氏は、「私たちは設立当初から、企業の脆弱なエントリーポイントを保護することに注力し、NHIセキュリティ分野を定義してきました。AIが企業内でAPIキーやサービスアカウントを拡大する現在、我々の使命はかつてないほど重要で複雑です」と述べています。
Astrixの技術と業界での認知
Astrixは、NHIセキュリティ分野の課題に対応する革新的な技術を提供しています。同社のエージェントレスアプローチは、非人間アイデンティティの完全な可視化を可能にし、過剰な権限や不要なアクセスを自動検知し修正することで、攻撃リスクを軽減します。この技術はFortune 500の顧客基盤にも支持されており、FigmaやNetapp、Priceline、Workdayなどの企業で導入されています。
Astrixはまた、業界で高い評価を受けています。最近では、SINET16 Innovator 2024やGartner Cool Vendor in Identity-First Securityに選ばれ、RSA Innovation Sandbox 2023のファイナリストにも名を連ねました。
投資家からの支持と今後の展望
Menlo VenturesのパートナーであるRama Sekhar氏は、「Anthology Fundを通じて次世代のAIスタートアップを支援していますが、Astrixは非人間アイデンティティのセキュリティにおける先駆的な取り組みで特に際立っています。AIファーストの世界でセキュリティの新しい定義を切り開く彼らと提携できることを光栄に思います」と述べました。また、Workday VenturesのErin Yang氏も、「Astrixの革新的でスケーラブルなソリューションは、企業が未来の労働環境に自信を持って対応できるよう支援します」と語り、AIと相互接続システムの採用が加速する中での重要性を強調しました。
Astrix Securityについて
2021年にテルアビブで設立されたAstrix Securityは、企業が直面する最大のセキュリティ課題である非人間アイデンティティ(NHI)の保護を専門としています。APIキーやサービスアカウントなどのNHIの完全な可視化を実現し、過剰な権限や悪意のあるアクセスを自動検知して修正します。同社は、イスラエル国防軍8200部隊出身のAlon Jackson氏とIdan Gour氏によって創業され、急成長を遂げています。シリーズBラウンドを含め、Astrixは合計8500万ドルの資金を調達しています。