既存の住宅ローンを買主が引き継ぐことができる住宅ローンを提供する"Roam"がSeries Aで$11.5Mを調達

Roamは、Khosla Venturesがリードし、Founders Fundも参加したSeries Aで$11.5Mを調達した。Roamはこれまでに、3つのラウンドで約$16Mを調達しています。今回のラウンドはFounders FundからKhosla Venturesに移籍したKeith Raboisによる三度目の出資です。同氏は2023年9月にFounders Fund在籍中にリードした$1.25MのPre-Seed、2024年5月には引き続きFounders Fundでリードした$3MのSeedに続くものです。

2023年9月にニューヨークで設立された既存の住宅ローンを買主が引き継ぐことができる住宅ローン(assumable mortgage)を提供するRoamは、全米で「数千件」の引き継ぎ可能な住宅ローンの住宅を提供することをミッションとしています。

Roamは2024年に「数百人」の買主に対して$200M相当の住宅販売を支援しました。過去12ヶ月間で20万人以上の買主が同社のプラットフォームに登録しています。同社は明確な収益数値は開示していませんが、Roamは買主1人あたり購入価格の1%を請求しているため、2024年に同社は単純計算で$200Mの1%である$2Mの収益を得たことを意味します。

COVID-19のパンデミック中、住宅ローン金利は史上最低水準にまで下がり、2.5%という低さを記録しました。それから数年後、金利は急上昇し、2023年には8%近くに達しました。2025年4月1日時点での全米平均の30年固定住宅ローンAPRは6.84%です。この急激な変動により、多くの人々が住宅購入の機会を失いました。

RoamのCEOは、引き継ぎ可能なローンにより、現在の住宅ローン金利での購入に比べて月々の支払いが最大で50%削減できると主張しています。

売主の持分は現金化する必要があるものの、Roamは「買主がわずか5%の頭金で5%(またはそれ以下)の合成金利(blended rate)を得られる」ようにするプロダクトを構築したと同氏は述べています。

例えば、販売価格$420,000の住宅で、売主のローン金利が2.25%、持分が$135,293ある場合、買主は全額を頭金として準備する必要はありません。

「販売価格の20%、つまり$84,000を頭金として用意し、持分から頭金を差し引いた$51,000をギャップファイナンス(gap financing)で賄うことで、3.45%の合成金利を実現し、数十万ドルを節約できます。FHAまたはVAローンに適格であれば、Roamの住宅ローン引き継ぎに適格です。Roamで住宅を購入できなければ、他でも購入は難しいでしょう。」と同氏は説明します。

現在、Roamはアリゾナ州、カリフォルニア州、フロリダ州、テキサス州、ノースカロライナ州など17州で展開しています。年末までには全米展開を予定しており、同氏は2025年にRoamのプラットフォームを通じて$1B相当の住宅販売が実現すると予想しています。

「以前一緒に仕事をした経験から、彼らが住宅の手頃さの問題を軽減する潜在能力に興奮しました。買主の月々の支払いを減らし、低金利のローンを持つ売主を市場に呼び戻すことができるからです。ほとんどの消費者向け節約支援企業は、年間数百ドルの節約しかできませんが、Roamはアメリカ人の30%にとって、ローン期間中に$200,000以上を節約できる可能性があります。」とKhosla VenturesのRaboisは述べています。

これまで買主がHoustonのような都市でZillow上で引き継ぎ可能な住宅ローンを検索しても、ほとんど結果が出ないのが一般的でした。ほとんどの売主やリスティングエージェントは、引き継ぎ可能なローンがあることを知りません。しかしRoamを使えば、現在Houstonだけで2,000件以上の引き継ぎ可能な住宅ローン物件が掲載されています。

消費者金融保護局(CFPB)の資料によると2020年と2021年には、$1.4T分のFHA/VA引き継ぎ可能な住宅ローンが発行されました。当時発行または再融資された住宅の3件に1件は、引き継ぎ可能な住宅ローンの対象でした。