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AIスタートアップのMistral AI、Le ChatがChatGPTを超える新機能を発表
フランスの生成AIスタートアップMistral AIが、新しい大規模言語モデル(LLM)「Pixtral Large」とアップデート版「Mistral Large」の発表とともに、同社のチャットボット「Le Chat」に多くの新機能を追加しました。これにより、Le ChatはChatGPTやAnthropicのClaudeといった競合を超える可能性を秘めています。
Mistral AIが発表したLe Chatの新機能は、ユーザーの業務アシスタントとしての役割を強化します。以下のような特徴的な機能が追加されています:
- ウェブ検索と引用機能:ChatGPTやPerplexityのように、ウェブ検索結果を引用付きで提供できます。
- Canvasツール:文書、データビジュアライゼーション、PowerPointプレゼンテーションなどを編集・変更できるインターフェースで、テキストと音声コマンドの両方で操作可能です。
- 大容量データ処理:大きなPDF、画像、グラフ、方程式の解析と要約が可能になりました。
- 画像生成能力の向上:Black Forest LabsのFlux Proモデルとの統合により、高度な画像生成が可能です。
- 自動化ワークフロー:請求書処理や経費報告などのマルチステップタスクを自動化する「エージェント型AI」機能が追加されました。
これらの機能は現在ベータ版として無料で利用可能です。
さらに、新しいLLM「Pixtral Large」は、テキストと画像の両方を処理できるマルチモーダルモデルとして注目されています。Pixtral Largeは1240億パラメータを持ち、AnthropicのClaude 3.5 SonnetやGoogleのGemini 1.5 Pro、OpenAIのGPT-4oをいくつかの主要ベンチマークで上回る性能を誇ります。このモデルは、文書やグラフ、自然画像の理解において最先端の能力を示しており、128,000トークンのコンテキストウィンドウにより、30枚の高解像度画像や300ページの書籍を一度に処理できます。Mistral Largeの新バージョン「Mistral Large 24.11」も発表され、長い文脈の理解能力が向上し、文書解析などのタスクに適しています。
Mistral AIについて
Mistral AIは、2023年4月にGoogle DeepMindやMeta出身のメンバーによって設立され、これまでに12種類のAIモデルを発表しています。同社のMistral 7BやMixtralシリーズはオープンソースで提供されており、一部のモデルはAPIを通じたライセンス契約で利用可能です。
Mistral AIは、生成AI分野で革新的な技術を提供するフランス発のスタートアップです。同社は2023年に設立され、現在の企業価値は60億ドルとされています。Google DeepMindやMeta出身のエンジニアが集結し、高性能なLLMを開発しています。そのモデルは研究および商業用途に利用され、Hugging Faceなどのプラットフォームを通じて提供されています。
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