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2026/05/25

Startup Portfolio

AIアンサーエンジンのPerplexity、iPhone・iPad向けAIブラウザ「Comet」を8つの主要アップデートで大幅強化

「アンサーエンジン」を掲げるAI企業のPerplexityは、自社のAIブラウザ「Comet」のiPhoneおよびiPad向けバージョンに対し、8つの主要なアップデートを含む大型リリースを実施しました。Cometは、従来型のWebブラウザと、AIチャットボット機能を統合したアプリケーションで、ユーザーは表示中のページをライブのコンテキストとしてAIに対話的に問い合わせながらWebを閲覧できる設計です。Cometは2025年7月にmacOS上で先行リリースされ、その後2026年3月にiPhoneおよびiPadへ展開され、4月にはマルチタスクをはじめとするiPad向けの本格対応が加わってきました。今回のアップデートは、その流れを引き継いで「日常のブラウジングとAIアシスト検索の両面で、よりポリッシュ(洗練)された体験」を目指して投入されています。

 

具体的に発表された8つの改善のうち、ユーザー体験に直結する代表的なポイントは次の通りです。まず「Phone number actions」では、Webページ上に表示された電話番号を、コピー&ペーストすることなく、ワンタップから直接Apple純正の電話、FaceTime、メッセージ、連絡先への保存といったアクションへ繋げられるようになりました。「Polished iPad sidebar」では、iPadサイドバーのスライドアニメーションがより落ち着いた挙動に改善され、レイアウトもより整理され、ウィンドウのサイズに合わせて表示されるようになっています。「Finance Deep Dive in a tab」では、Cometの金融ディープリサーチ機能の出力をポップアップウィンドウではなく、通常のブラウザタブとして開けるようになり、長文の調査結果も他のWebコンテンツと同様にタブを切り替えて参照できる設計です。さらに、ドラッグ&ドロップのサポートが拡張され、任意のタブにある画像をそのまま組み込みアシスタントへドロップするだけで、ビジュアルベースのクエリ(画像に対する質問)が投げられるようになりました。これに加えて、ナビゲーションのスムーズ化、マルチタスクの改善、いくつかの煩雑なバグの解消といった一連の改善も含まれています。

 

戦略的な観点でも、今回のリリースはPerplexityの「ブラウザイヤー」と位置付けられる2026年の取り組みの延長線上にあります。同社のCometは、Chromiumベースを採用しつつ、ページの要約、フォローアップ質問、ブラウザ上での自律的タスク実行といった「すべてのブラウジング動作にAIをネイティブに組み込む」アプローチを掲げており、Comet AssistantによるWebページの即時要約や、複数ステップにわたるリクエストを自律処理する「エージェント型ブラウザ」としての機能で、Arc/Atlas Browser、Microsoft Edge with Copilot、Brave、AI機能を搭載した他のブラウザ群と競合関係にあります。CometはすでにiOS、Android、macOS、Windowsを通じて世界中で誰でも利用可能となっており、Samsung Internetへのエージェント型ブラウジング機能の統合や、MDMによるエンタープライズ展開「Comet for Enterprise」も進めています。あわせて、PerplexityはCometの基盤外でも、「Deep Research」をAnthropicのClaude Opus 4.5の搭載によって最新水準にアップデートし、プレゼンテーション、スプレッドシート、ダッシュボード、Webサイトをそのまま生成できる機能を追加したほか、Voice ModeはOpenAIのGPT Realtime 1.5により以前比で25%以上の信頼性向上を実現するなど、Cometを中核としたAIワークスペース全体としてのアップグレードを進めています。今回のiOS向け8項目アップデートは、こうした全体戦略の中で、最もユーザータッチポイントの多いモバイル領域における体験品質を底上げする位置付けとなります。

 

Perplexityについて
Perplexityは、2022年8月にAravind Srinivas(共同創業者兼CEO)を中心に、Denis Yarats、Andy Konwinski、Johnny Hoらによって設立された、米国・カリフォルニア州サンフランシスコを本社とするAIスタートアップで、検索結果を「リンクのリスト」ではなく「ソース付きで直接答える回答(answer)」として返す「アンサーエンジン」というカテゴリを切り拓いています。CEOのAravind Srinivasはインド・チェンナイ出身(1994年生まれ)で、インド工科大学(IIT)マドラス校で電気工学を学んだのち、米国・カリフォルニア州バークレーのUC BerkeleyでPh.D.を取得、その後Google Brain、DeepMind、OpenAIで研究者キャリアを積んだ経歴を持ちます。Perplexityのコア製品は、リアルタイムでWebを検索しソースとして引用しつつ直接的な回答を返すAnswer Engineで、その上にChromiumベースのAIブラウザCometや、Anthropic Claude Opus 4.5を活用したDeep Research、Voice Mode、自律エージェント機能などを重ねた、AIネイティブな情報&作業環境を構築しています。日本市場ではSoftBankが「Perplexity Enterprise Pro」の認定再販社として、7,000名規模のセールス体制で導入を進めるなど、エンタープライズ展開も加速しています。資金調達面では、累計17.2億ドル超を56社超の投資家から調達しており、Jeff Bezos、Nvidia、Accel、SoftBank、Databricks、GoogleのChief AI ScientistであるJeff Deanといった顔ぶれが名を連ねます。2026年1月のシリーズE-6ラウンドでは評価額212億ドルに到達しており、これは2025年9月の200億ドル評価、2025年初頭の180億ドル評価、2024年11月の90億ドル評価から、立て続けに評価が切り上がってきている結果で、Googleなど大手検索ベンダーへの挑戦者として急速に存在感を高めています。

 

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