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2026/04/10

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AIクラウドと生成AI基盤の統合を狙うAIインフラのNebius、AI21 Labs買収交渉と報道

オランダを拠点とするAIクラウド企業Nebiusが、イスラエルのAI企業AI21 Labsの買収に向けた交渉を進めていると報じられました。報道によると、当初AI21 Labsの買収を検討していたNvidiaが交渉から離脱した後、Nebiusが新たな買い手候補として協議を行っているとされています。AI21 Labsはこれまで売却交渉を否定してきましたが、市場では同社がいずれ何らかの形で出口戦略を模索する可能性があるとの見方が強まっています。

 

AI21 Labsは、Prof. Amnon Shashuaらが共同創業したイスラエルの人工知能企業です。一方のNebiusは、イスラエル系の創業者であり元Yandex幹部でもあるArkady VolozhとRoman Cherninによって設立された企業で、法的にはオランダ拠点ですが、Tel AvivのAlon Towersに大規模な開発拠点を持ち、多くの経営幹部もイスラエルに居住しています。COOのOphir NaveやElena Buninaもその一員であり、取締役会にはAI起業家のDr. Kira Radinskyも名を連ねています。

 

Nebiusは、ロシアの検索大手Yandexの旧経営陣が、同社の主要事業売却後に立ち上げた新たな事業を基盤として成長してきました。Yandexで培ったクラウド関連の知見をもとに、現在はデータセンターを賃貸・運営するAIクラウドサービス企業として展開しています。イスラエル国内では、Modi’inにあるMegaDCのデータセンター内で国家スーパーコンピュータを運用していることでも知られています。足元のNebiusは、MetaやMicrosoft向けにGPUベースのデータセンターを供給する大型契約を相次いで締結したことで急速に存在感を高めています。時価総額は320億ドル規模に達しているとされ、Nvidiaからも数億ドル規模の資金を調達しており、緊密な関係を維持しています。AIインフラ分野ではCoreWeaveやCrusoeとも競合しており、これらの企業も最近イスラエルで事業を開始しています。さらにMeta向けの270億ドル規模のAIサービス契約締結後には、NvidiaがNebiusへ20億ドルを投資すると表明したとも伝えられています。

 

一方のAI21 Labsは、自社の大規模言語モデルで市場浸透を十分に進められなかったことから、出口を模索していると報じられています。最近では、AIエージェント管理製品「Maestro」で相対的な成功を収めつつあり、事業の方向性を転換する中で企業価値をどう最大化するかが注目されています。AI21 Labsは2023年時点で14億ドルの評価額が付けられており、Pitango、Intel Capital、B2 Ventures、Coatue、Google、Nvidiaなどの投資家は、投資に対する上乗せを期待して、数十億ドル規模での売却を望んでいるとみられています。今回の報道は、生成AI企業が単独で基盤モデル競争を続けるだけでなく、AIインフラ企業との統合を通じて新たな成長機会を探る流れを示しています。Nebiusにとっては、計算資源やクラウド基盤の提供にとどまらず、AIアプリケーションやエージェント運用のレイヤーまで取り込む機会となり得ます。AI21 Labsにとっても、単体での競争が厳しさを増す中で、インフラを持つ企業の傘下に入ることが事業拡大の近道になる可能性があります。もっとも、現時点では交渉段階の報道であり、最終的な合意に至るかどうかは今後の協議次第です。

 

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