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自己免疫疾患に適応する多機能抗体を設計するAI抗体創薬のBiolojic Design、Teva提携下のTEV325で前臨床マイルストンを達成
Biolojic Designは、AIと計算設計を用いて抗体を多機能かつプログラム可能な医薬へ変えるバイオテクノロジー企業として、Teva Pharmaceutical Industriesとの提携プログラムから追加のマイルストン支払いを受領したと発表しました。対象となったのはTEV ‘325(旧BD9)で、IL-13とTSLPを標的とするmultibodyです。この候補は前臨床マイルストンを達成しており、TevaはTH2駆動型炎症性疾患であるasthmaやatopic dermatitis向けに、TEV ‘325の開発および商業化に関する独占ライセンスを保有しています。
Biolojic DesignのFounder兼CEOであるYanay Ofranは、TEV ‘325が前臨床開発を進展させていることに期待を示し、Tevaによる臨床試験開始は2027年を目標としていると述べています。Tevaは2025年5月時点でBD9のIND-enabling studies開始を公表しており、その後2026年1月時点のパイプライン資料ではTEV-’325を前臨床段階の資産として掲載していました。今回の前臨床マイルストン達成は、その流れの中で次の開発段階へ向けた進展として位置づけられます。TEV ‘325はmultibodyと呼ばれる新しい抗体形式で、天然のヒトIgGが持つ開発しやすさや安全性を維持しながら、複数の複雑な機能を実行できるよう設計されています。Biolojic Designの説明では、この候補の各アームはIL-13またはTSLPのいずれにも結合でき、自己免疫や炎症性疾患の異なる病期で発現頻度が変化する二つのサイトカインに柔軟に対応できる構造になっています。これにより、固定的な結合特性しか持たない従来抗体や一般的なbispecific抗体に比べ、患者ごとの病態変化に応じて適応的に働く可能性があるとされています。
今回の案件は、Biolojic DesignのAI創薬基盤にとっても象徴的です。Ofranは、TEV ‘325が自己免疫疾患向けで開発中の同社初のmultibodyであり、今後順調に進めば、同社プラットフォームから臨床入りする2本目のmultibodyであり、3本目のAI設計分子になる可能性があると説明しています。Biolojic Designは、自社のプラットフォームがすでに臨床入りした最初のAI設計抗体を生み出していると紹介しており、今回の進展は同社がAI設計抗体分野で先行していることを示す材料となっています。契約面では、TevaがTEV ‘325の開発、製造、グローバル商業化に関する独占権を持ち、Biolojic Designは前臨床、臨床、規制、商業化の各マイルストン達成に応じた支払いとロイヤルティを受け取る仕組みです。この提携は2023年12月に発表されており、当時からBD9はatopic dermatitisおよびasthma向けのTH2駆動型炎症疾患の治療候補として位置づけられていました。今回の前臨床マイルストン達成は、その提携が具体的な進捗を伴って前に進んでいることを示しています。
TEV ‘325の意義は、単に二つの標的を同時に抑えることにとどまりません。TH2炎症は患者ごと、また病期ごとに支配的なサイトカイン環境が異なるため、固定型の抗体では十分に対応しきれない可能性があります。Biolojic Designは、このmultibody形式によって病態に応じた結合挙動を実現し、より広い患者層や既存治療で十分に反応しない患者への改善余地を狙っています。AIによる設計を通じて、従来技術では長年解決しにくかった臨床上の課題に挑んでいる点が、この資産の特徴です。
Biolojic Designについて
Biolojic Designは、AIと計算設計を用いて抗体を知能的な医薬へ変換するバイオテクノロジー企業です。同社プラットフォームは、ヒト抗体を多機能かつプログラム可能なスイッチへ変え、agonism、antagonism、conditional bindingなどの機能を持たせることで、より高い機能性と作用精度を目指しています。パイプラインはautoimmune diseasesとoncologyに重点を置いており、自社開発に加えて複数の大手バイオ医薬企業との提携も進めています。
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