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FemTechのRespin Health、Halle Berryが更年期ケアをAIとコミュニティで刷新
俳優で更年期の啓発活動家でもあるHalle Berryは、周閉経期、更年期、閉経後を含む“ミッドライフの女性の健康”に特化した新プラットフォームRespin Healthを立ち上げました。更年期をめぐる偏見や誤診、情報不足を「現代仕様に作り直す」ことを掲げ、科学者や医療者、AI技術者、同じ悩みを抱える女性のコミュニティを組み合わせた支援を提供します。Berryは、2020年に一般的な健康・フィットネス領域として始めたRespinを、より必要性の高い更年期領域へ特化させたと説明しています。
背景には、更年期医療のギャップがあります。45〜60歳の女性の3人に1人が更年期症状を誤診された経験があるという調査や、医師の助言が役に立たなかったと感じる人が多いという指摘があり、Berry自身も54歳のとき、腟の乾燥に関する相談が誤って性感染症と判断された経験を語っています。情報不足に加え、「老い」への恐れや社会的スティグマが、更年期を避けたい、あるいは認めたくない気持ちにつながっていたとも述べています。
Respin Healthは、ホルモン補充療法だけに依存しない包括的なアプローチを打ち出し、専門家へのパーソナライズされたアクセスと、生活習慣や症状が近い女性同士の小さなコミュニティを組み合わせます。150の健康データポイントを使って各人の状況を評価し、医師やコーチが計画づくりと継続を支える設計です。月額課金のプレミアムプランとして提供され、Berryは、コーチが伴走し、コミュニティが支え合う点を重視していると説明しています。
同社は夏に招待制ベータを実施し、8週間で参加者の90%に症状の改善傾向が見られ、64%は臨床的に有意な改善があったとしています。さらにBerryは、AIが「常時対応」の相談相手として機能し、科学的根拠に基づいた最新の回答を提供する役割を担うと述べています。更年期は毎年100万人以上が経験する一方で、研究と資金が不足し医学的理解が十分でないという課題もあり、Berryは政策面でも研究資金拡充を後押しする活動に取り組んでいます。
Respin Healthは、Ally Tam TumasovaをCEOに迎え、AI技術者のManasa Murthy、コミュニティ領域のNatalie Bruss、編集責任者Allie Roseなどのチームで運営するとしています。また、Khosla Ventures、Night Ventures、Range Media Partners、Precursor Ventures、Able Partnersからの支援も公表されています。
Respin Healthについて
Respin Healthは、更年期とミッドライフの女性の健康に特化したコミュニティ型のヘルスプラットフォームです。医師やコーチ、科学的知見、AIによる常時サポート、そして同じ課題を持つ女性同士のコミュニティを組み合わせ、誤診や情報不足が起こりやすい更年期ケアを個別最適で継続しやすい形に整えることを目指しています。月額サブスクリプションのプレミアムサービスを通じて、症状管理と生活の質向上を支援します。
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