ベルギーに拠点で欧州の輸送事業者の運用コストを削減するTMSを提供する"Qargo"がSeries Bで€28Mを調達

Qargoは、Sofina(ベルギーのファミリー支援投資会社)がリードし、既存投資家でSeries AをリードしたBalderton Capitalも参加したSeries Bで€28M($33M)を調達し、これまでの資金調達総額は€46M($54M)となりました。

2020年に設立されたベルギーに拠点を置く欧州の輸送事業者の運用コストを削減するインテリジェントなTransport Management System(TMS)を提供するQargoは、キャリア、フォワーダー、3PL向けに設計されたクラウドベースのTransport Managementプラットフォームで、受注入力、輸送計画、ルート最適化、積載構築、請求処理、レポーティングなど、輸送サイクル全体にわたる反復的な手作業のデジタル化と自動化を支援します。

同社のAIエンジンであるQargo Intelligenceは、受注作成、ルート計画、トリップ最適化、積載構築、請求処理、倉庫タイムスロット予約まで、エンドツーエンドの輸送ワークフローの大部分を自動化しています。

この自動化レイヤーによって、顧客は反復的な手動事務作業に費やす時間を最大75%削減し、計画、カスタマーサービス、バックオフィスチーム全体で毎週数百時間を節約できていると報告されています。

さらに外部システムと連携できるエージェントAIの追加により、Qargoのプラットフォームは従来のTMSでは実現できない規模で間接コストを削減し、プロセスを高速化しています。また、フリートの効率運用を支援するQargoの最適化機能は、空荷走行を最大30%削減できるとされています。

2025年には、EU-StartupsがQargoのSeries Bを位置付ける文脈として、欧州の輸送・物流テクノロジーにおける複数の動向を報じています。

Dublin拠点のAxeは、物流のルーティンタスクを自動化するAIエージェント開発のためにpre-Seedで€1.5Mを調達し、TallinnのVok Bikesは都市部のバン交通を削減する電動カーゴバイクの生産拡大のために€5Mを獲得しました。鉄道関連では、Berlin拠点のMenlo79が、ワークフォースおよび計画最適化のためのクラウドプラットフォーム開発に€2.1Mを調達しました。

これらの資金調達は合計で約€8.6Mとなり、今年の同セクターでの投資は主にアーリーステージの自動化およびモビリティソリューションに集中していることを示しています。

このような背景の中、Qargoの大規模なSeries Bは際立っており、同社の輸送管理の成熟度と、欧州における効率向上型物流ソフトウェアへの投資家の継続的な関心を裏付けています。

「Qargoの経験豊富なチームは、深い業界知識と高いプロダクト開発速度、そして顧客中心思想を兼ね備えています。これは卓越した顧客牽引力につながっています。道路輸送は欧州経済の中核であり、Qargoはあらゆる規模のフリートに対して、意味のある測定可能なコストおよびCO2効率改善を提供しています。同社は輸送テクノロジー市場で真に変革的なものを築いており、我々は今後の成長を支援できることを大変嬉しく思います。」とSofinaのPrincipalは述べています。

2024年5月のSeries A以降、Qargoの成長は指数関数的で、プラットフォームを通じて処理される顧客請求額は€479M(£420M)から年間€2.1B(£1.9B)超へと増加し、顧客数も約100から400超へと4倍に拡大しました。

Series Bにより、Qargoは新たな資金を活用してチームのさらなる拡大、新市場への進出、AIを活用したプロダクト機能の開発加速を進めつつ、独立性を維持し、ファミリー企業からエンタープライズ企業まで幅広い企業と連携できる体制を強化していく予定です。