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AI NetworkingのEnfabricaをNvidiaが9億ドル規模のアクイハイヤーでGPUネットワーキング強化
Nvidiaは、スタートアップEnfabricaの人材と技術を取得する形で9億ドル超を投じる「アクイハイヤー」を実施しました。これにより、EnfabricaのCEOであるRochan Sankar氏とエンジニアチームがNvidiaに加わり、大規模GPUクラスター向けの革新的ネットワーキングチップに関するライセンスも獲得します。
Enfabricaの技術は最大10万個のGPUを相互接続できるとされ、データセンターの効率性における重要なボトルネックを解消。高度なAIモデル学習に不可欠な大規模並列処理を可能にする基盤となります。今回の投資は、InfiniBandやEthernetベースのネットワーキングを強化するNvidiaの戦略に直結し、GPU間通信の帯域幅と低遅延を実現することで、次世代AI需要に応える狙いです。
Nvidiaは過去にもMellanoxの買収でインターコネクト技術を取り込み、成功裏に統合を果たしています。今回のEnfabricaからの人材獲得は、同社がGrace HopperスーパーチップやBlackwellアーキテクチャといった「相互接続重視のAIインフラ」戦略をさらに前進させる重要な一歩となります。規制リスクを回避しつつ知見を迅速に取り込むアクイハイヤー形式は、MetaやGoogleといった大手が用いる戦術と同様です。
Enfabricaは2019年設立で、これまでに約7500万ドルの資金を調達していましたが、今回の取引でNvidiaが大きなプレミアムを支払ったことが注目されています。業界ではこの動きがAIハードウェア領域での統合トレンドを象徴するものとみられており、今後の競争環境に大きな影響を与えると考えられます。
Enfabricaについて
Enfabricaは2019年に設立されたAIネットワーキング技術のスタートアップで、大規模GPUクラスターを相互接続するための高帯域・低遅延スイッチングチップを開発しています。同社の技術はデータセンターにおけるAIトレーニングの効率化を目指し、Nvidiaや大規模クラウド事業者向けのソリューションとして注目されていました。
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