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2025/03/24

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ホームロボティクスの1X、家庭用ヒューマノイドロボットを2025年に数百世帯で試験導入へ

ノルウェーのロボティクススタートアップである1Xは、2025年末までにヒューマノイドロボット「Neo Gamma」を数百から数千の家庭で試験導入すると発表しました。1XのCEOであるBernt Børnich氏は、Nvidiaが主催するイベントGTC 2025で、「今年中にNeo Gammaを家庭に導入し、初期ユーザーと共にシステム開発を進めたい。人々と生活しながら学習させるためには、実際の家庭環境でNeoに行動規範を教える必要があります」と述べています。

 

近年、家庭用ヒューマノイドロボットに対する期待は急速に高まっています。同様の計画を発表しているFigureは、2025年に家庭試験を開始すると表明しており、企業価値が約400億ドルにも達する資金調達交渉を行っていると報じられています。さらに、1Xに出資しているOpenAIも、自社製のヒューマノイドロボット開発を検討している模様です。

一方で、金属製のロボットを家庭に配置することは、この業界にとって大きな挑戦でもあります。自動運転車スタートアップが公道にロボタクシーを投入するのと同様、リスクは常に存在します。しかしBørnich氏は、Neo Gammaが実際に商業的に拡大し、完全に自律動作できるようになるまでには相当の時間を要すると認めています。

現在のNeo Gammaは、AIを使って歩行やバランスをとることは可能ですが、自律的な動作はまだ完全ではありません。そのため家庭での試験を可能にするために、遠隔地からNeo Gammaのカメラやセンサーをリアルタイムで監視し、ロボットの動きをコントロールする「遠隔オペレーター」に頼った運用となっています。

こうした家庭内での試験を通じて1Xは、Neo Gammaが実際に家庭でどのように動作するかのデータを収集します。初期ユーザーは、Neo Gammaの性能向上に役立つ価値のあるデータセット構築に協力することになります。

 

データ収集にはプライバシーの問題も伴いますが、1Xはユーザーがロボット周辺の状況を従業員が閲覧できるタイミングを制御できる仕組みを設けるとしています。今年2月に発表されたNeo Gammaは、1Xが初めて研究所の外でテストする二足歩行ロボットの試作機であり、前世代のNeo Betaと比べてAI性能が強化され、ニット製のナイロンボディスーツを採用することで、ロボットとの接触による怪我のリスク軽減を目指しています。

実際、GTCのデモでは、人間の遠隔操作支援を受けながらも、Neo Gammaは掃除機がけや植物の水やりなど基本的な家事をこなし、人や家具にぶつかることなく室内を歩行してみせました。しかし通信環境やバッテリーの問題から、動作が不安定になり倒れるなど、課題も残りました。

1Xは、Neo Gammaの市場投入に向けた戦略や、遠隔操作なしでの運用方法についてはまだ明確に説明していません。今年中に一部のユーザーがNeo Gammaを体験できる予定ですが、完全自律型の家庭用ヒューマノイドロボットが一般販売されるようになるには、さらに数年がかかる見込みです。

 

1Xについて:
1Xはノルウェーのロボティクススタートアップで、ヒューマノイドロボットの開発と導入を目指しています。AI技術を活用し、人間との共生を前提とした家庭向けロボットを設計しており、OpenAIやNvidiaなどのパートナー企業と協力しながら、革新的な技術開発を進めています。

 

TagsIoTTechnology

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