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2025/03/18

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FinTechのTigerBeetle、金融取引に特化したデータベースを開発

ソフトウェアエンジニアのJoran Dirk Greefは、Microsoftのゼロデイ脆弱性対策コンサルティングなどを経て、サンフランシスコに拠点を置くWebマネタイズ系スタートアップCoilで支払い基盤の構築に携わっていました。当時、Coilは従来型のデータベースを使用して取引を処理していましたが、Greefは金融取引に特化した専用のデータベースが高効率かつ高機能になるのではないかと着想し、社内のスカンクワークス的プロジェクトとして「TigerBeetle」を開発し始めました。その後、顧客からエンタープライズレベルのサポート要望が寄せられたことを受け、TigerBeetleをスピンアウトの形で独立させました。

 

TigerBeetleが開発するオープンソースのデータベースは、デビット・クレジットなど1回のクエリで8,000件を超える取引を処理できるという強みがあります。一般的なデータベースではトランザクションあたり1〜10クエリが必要な場合が多いため、この性能はレイテンシの低減や大規模処理の高速化につながるといいます。さらに同社によると、TigerBeetleは金融取引特有の整合性を開発者が一から構築する手間を省き、デビット/クレジットの基本操作をデータベースレベルで保証する機能も備えています。

最近TigerBeetleは、Spark CapitalのNatalie Vais氏がリード投資家を務めるシリーズAラウンドで2,400万ドルを調達し、累計調達額は3,000万ドルを超えました。プレバリュエーションは約1億ドルと伝えられています。TigerBeetleは現在、従業員数8名で、2025年までに倍増を計画。製品はマネージドサービスとして提供しており、創業当初からの有料顧客を抱え、オープンソースコミュニティも順調に拡大しているということです。

CEOのGreefによると、「当初は年内に別のタイミングで資金調達をする予定でしたが、2024年初頭のコミュニティ成長の勢いと商業的な引き合いが高まったため、エンジニアやGo-To-Market、クラウドプラットフォームへの投資を加速することにした」とのことです。TigerBeetleのデータベースは、2023年3月に初の本番向けリリースを行い、今後は顧客獲得に注力していく方針だといいます。なお、用途は送金やコアバンキングなどの金融領域にとどまらず、課金課金や在庫・予約システムなど、幅広いシナリオに応用可能だと説明しています。

 

TigerBeetleについて
TigerBeetleは、金融取引処理に最適化された高性能データベースを開発するスタートアップです。開発者がデビット/クレジットなどの金融的整合性を一から構築せずとも、取引管理を効率的かつ安全に行えるプラットフォームを提供しています。既にシリーズAで2,400万ドルを調達し、マネージドサービスやオープンソースを通じて金融以外の幅広い領域への展開も視野に入れ、次世代のデータベースソリューションを目指しています。

 

TagsFinTechUnited States

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