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Vardaが、宇宙製造カプセルの再突入ライセンス取得、2月21日に地球帰還へ
宇宙空間での製造を手がけるVarda Space Industriesは、初のミッションで打ち上げたカプセルを地球に帰還させるための再突入ライセンスを米国連邦航空局(FAA)より取得したと、2月14日に発表しました。W-Series 1と呼ばれるVardaの宇宙船は、6月にSpaceXのトランスポーター-8ミッションで打ち上げられました。このミッションでは微小重力下での結晶生成実験が行われ、その成果がVardaによって開発されたカプセル内に収められ、地球に持ち帰られます。
当初は7月中旬の帰還を目指していましたが、再突入ライセンスの取得が必要なため、FAAとの調整が続いていました。このライセンス取得は商用宇宙船の帰還には必須でしたが、新設されたライセンス申請手順であるPart 450では申請手続きが複雑だとの声もあり、取得に手間取っていました。10月にはFAAの再突入ライセンス取得に加え、ユタテスト訓練場(UTTR)を運営する米国空軍の承認も得られる見通しであったものの、3者間の連携が課題となっていました。
今回取得したライセンスは、Part 450に基づいて発行された初の再突入ライセンスであり、アメリカの商業団体による自社開発宇宙船の米国領土内への着陸も初の事例となります。Vardaは「米政府とのパートナーシップを通じてこの機会を得られたことを誇りに思う」とコメントしています。直径約90センチ、高さ約74センチの円錐形のカプセルは重量90キロ未満です。着陸地点はUTTRと隣接するダグウェイ試験場の部分を含む45×35キロメートルの楕円形エリアとなります。カプセル以外の機体は再突入時に燃焼し、小さな破片が残るのみです。
環境評価報告書によると、カプセルの着陸地点候補として国防総省が管理する複数の試験場(アリゾナ、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、ユタ)が検討されました。管理されたアクセス環境が得られるという点で、公共用地とは一線を画すことが候補地選定の理由です。安全なカプセル回収に必要な条件を全て満たしたのはUTTR/ダグウェイのみでした。また、非アメリカでの着陸に関しては、合意取得やカプセルの米国への返送手続きに時間と複雑さが伴うため、今回のミッションでは検討からは除外されていました。ただし、Vardaは10月、オーストラリアの宇宙港運営会社Southern Launchとの提携を発表しています。2024年半ばにも予定されている次期ミッション以降は、アデレード北西部のクニバ試験場がカプセル回収に使用される可能性があります。
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