Startup Portfolio
Deutsche Telekomが、Perplexityと提携し1,000ドル以下のAIスマホを発表
Deutsche Telekom(DT)は、PerplexityやPicsartと共同で「AI Phone」を開発し、2026年に1,000ドル以下で発売することを発表しました。この端末は、新たなAIアシスタント「Magenta AI」を搭載し、まずは欧州市場向けに展開される予定です。
DTの技術・イノベーション担当役員Claudia Nemat氏は、「DTはAI企業へと進化しています」と述べる一方で、「大規模言語モデル(LLM)を開発するのではなく、AIエージェントの開発に注力する」と説明しました。特に、Perplexityはこのプロジェクトの中核を担っており、AI検索エンジンから「プロアクティブなAIサービス」への転換を進めています。同社のCEOであるAravind Srinivas氏は、AI Phoneについて「単なる情報提供ではなく、ユーザーのために行動を起こすAI」と説明しました。
AI Phoneの主な機能
• 音声コマンドによる予約・メール送信・通話発信
• フライト予約やスケジュール管理の自動化
• ロックスクリーン上でのAIアシスタント統合
DTは、Google Cloud、ElevenLabs、Picsartと協力し、端末内のAI機能を強化する予定です。
Perplexityは、2024年1月にAndroid向けAIアシスタントを発表しており、これがAI Phoneのベースになる可能性があります。今回の提携は、AIを活用したスマートフォン市場での差別化を図る戦略の一環です。
一方で、過去にはMozillaやFacebookも「キャリア主導のスマホ開発」を試みましたが、成功には至りませんでした。また、LGの撤退など、スマートフォン市場は少数の大手企業が支配する難しい市場でもあります。それでも、AIがスマートフォンの進化を牽引する潮流の中で、DTとPerplexityは新たな可能性を模索しています。Srinivas氏は、「AIが次のフェーズへ進化し、単なるリアクティブなツールから、ユーザーを支援する“常時アシスト”の存在へと変わる」と述べています。AI Phoneの成功は未知数ですが、AI技術の進化がスマートフォン市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。