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ベクターデータベースのWeaviate、AI開発向け柔軟な埋め込みサービスを発表
Weaviateは、AIアプリケーションのデータベクトル化を大きく進化させる新しいサービス「Weaviate Embeddings」を発表しました。このSaaSサービスは、オープンソースの柔軟性とマネージドサービスの利便性を組み合わせたもので、従量課金モデルを採用しています。
AIでは、データは「ベクトル埋め込み」と呼ばれる座標に変換され、ベクターデータベースに格納されます。この変換を担う埋め込みサービスはAI開発に不可欠ですが、利用制限やAPI依存、プロプライエタリモデルの制約といった課題がしばしば開発の妨げとなります。
Weaviate Embeddingsはこれらの課題を解決します。このサービスは、Weaviate Cloud上でオープンソースまたはプロプライエタリモデルへのアクセスを提供し、外部サービスへの依存や自前ホスティングの負担を排除します。開発者は、埋め込みデータを自由に管理し、モデル間を簡単に切り替えることができます。
また、Weaviate Embeddingsは、データ格納場所に近いGPUでモデルを動作させることで遅延を最小限に抑えます。他社サービスと異なり、埋め込みの速度制限や生産環境でのキャップがないため、スケーラビリティにも優れています。さらに、シンプルな料金体系でモデル推論のコストを抑えることが可能です。
WeaviateのCEOであるBob van Luijt氏は次のように述べています。「私たちの目標は、開発者がデータとモデルをより緊密に連携させるためのツールと運用サポートを提供することです。Weaviate EmbeddingsはAIネイティブアプリケーションをより簡単に構築・管理できるようにするもので、オープンソースのデータベースを使えば、どんな方法でも自由に取り組めます。」
現在プレビュー版が公開されているWeaviate Embeddingsは、高品質なデータ検索を可能にするオープンソーステキスト埋め込みモデル「SnowflakeのArctic-Embed」を搭載しています。Weaviateは、2025年以降、新しいモデルやモダリティを追加していく計画です。
Weaviateは今年初め、AI開発を支援するツール群を発表しました。これにはレコメンダーシステムやデータ探索ツールが含まれており、さらにホット・ウォーム・コールドのストレージ階層を導入し、AIネイティブアプリの運用コストを削減しています。
Weaviateについて
Weaviateは、モダンなAIアプリケーションを構築・拡張するために設計された、オープンソースのAIネイティブベクターデータベースです。強力なハイブリッド検索機能と機械学習モデルとのシームレスな接続により、数十億のベクトルや数百万のテナントをサポートします。Instabase、NetApp、Red Hatなどの企業がWeaviateを活用し、データを完全にコントロールしながら検索や生成AIアプリケーションを実現しています。2019年に設立されたWeaviateは、Battery Ventures、Cortical Ventures、Index Ventures、ING Ventures、NEA、Zetta Venture Partnersからの出資を受けています。