InsurTechのSayata、Penn-Americaに買収されAI商業保険市場を強化

米国の大手保険会社Penn-America Groupは、イスラエル発のAI商業保険エージェンシーSayataを買収したと発表しました。取引額は非公開ですが、現金と株式を合わせ数千万ドル規模と報じられています。Sayataは2017年に創業し、当初はサイバー保険分野にデータ分析を提供していましたが、その後独立系保険代理店に転換し、AIを活用したデジタル流通マーケットプレイスを構築しました。これにより、中小企業向けのサイバー保険や専門職賠償責任保険、第三者訴訟対策など幅広い保険商品を効率的に販売できる仕組みを実現しました。現在、年間収益は推定6,000万〜7,000万ドルに達しており、そのうち1,000万ドルは代理店手数料によるARRとされています。同社はTeam8、Pitango Growth、Hanaco Ventures、Vertex Partners、Elron、RDC、OurCrowdなどイスラエルを代表するVCから累計6,000万ドルを調達してきました。2022年には3,500万ドルを調達しています。

Sayataの創業者兼CEOであるAsaf Lifshitz氏は、「今回の交渉はイスラエルが困難な状況にある中で行われました。それにもかかわらず、保守的な業界である米国の保険会社が当社を買収し、イスラエルでの事業拡大を選んでくれたことは非常に意義深い」とコメントしています。今回の買収により、Sayataは独立事業体としての運営を終了し、従業員10名全員がPenn-Americaに合流します。親会社Global Indemnity Groupはニューヨーク証券取引所に上場しており、時価総額は約4億3,530万ドルです。Penn-Americaは今年すでに2社を買収しており、Sayataを含めたさらなる統合と拡張を進める計画です。

Sayataについて
Sayataは2017年創業のイスラエル系InsurTech企業で、AIを活用した商業保険のデジタル流通マーケットプレイスを展開しています。中小企業向けのサイバー保険や専門職賠償責任保険、第三者訴訟対策を含む多様な保険商品の販売を支援し、代理店手数料によるARRは1,000万ドルに達しています。同社はこれまでに累計6,000万ドルを調達し、商業保険業界における新たなデジタル変革の担い手として注目を集めています。