生成AIのAnthropic、ロンドン拠点を拡大し欧州市場を本格展開へ

生成AIスタートアップのAnthropicは、欧州市場への本格進出に向けてロンドンとダブリンの拠点で100名以上の人材採用を行うと発表しました。AnthropicはOpenAIの元従業員たちによって設立され、「Claude（クロード）」と呼ばれる対話型AIを開発しています。今回の採用は営業、エンジニアリング、研究、事業運営など多岐にわたる分野で行われ、特にイギリスとアイルランドのチームが大幅に拡充されます。同社は最近、スイスのチューリッヒに研究施設を開設するとともに、欧州・中東・アフリカ地域（EMEA）の責任者としてGuillaume Princenを迎えました。Princen氏はかつてStripeのヨーロッパ事業を率い、その後フランスのフィンテック企業MooncardでCEOを務めた人物です。

Princen氏は「Anthropicの欧州および英国への拡張は、企業が高度なAI能力を必要としながらも、セキュリティとプライバシーを重視する重要な時期に行われます」と述べています。また、欧州企業はClaudeの知性やスピード、業界最高レベルのコーディング能力を評価し、一般消費者もその会話における魅力的な特性に惹かれている、としています。

Anthropicの共同創業者で社長のDaniela Amodei氏も、「EMEA地域は当初から私たちの戦略的ビジョンの中心でした。昨年Claudeを欧州でローンチして以来、企業および消費者双方で急速な自然成長を確認しています。今回の人材強化とPrincen氏という適任なリーダーを得ることで、欧州における事業展開を加速させることができました」と述べています。Anthropicは英国市場においても、広告・PR大手のWPPなどをクライアントとして抱えており、今年2月には英国政府とも提携を結び、公共サービスや科学的研究へのAI導入を支援することを決定しています。

Anthropicについて
Anthropicはカリフォルニア州を拠点とするAIスタートアップで、元OpenAIメンバーによって設立されました。同社は「Claude」という高度な生成AIモデルを提供しており、特に安全性やプライバシーに配慮したAI開発を重視しています。GoogleやAmazonなどが支援するユニコーン企業として、世界各国の企業および政府機関との提携を通じてAIの活用推進を図っています。