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BioTechのDewpoint Therapeutics、DPTX3496を大腸癌・乳癌・肺癌治療の開発候補として発表
バイオ医薬品企業のDewpoint Therapeuticsは、新たな開発候補としてDPTX3496を発表した。この経口小分子コンデンセートモジュレーター(c-mod)は、βカテニンを標的とし、Wnt経路の異常活性化に起因する大腸癌(CRC)、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療を目的としている。現在、IND(治験届)申請に向けた前臨床試験が進められており、2025年後半の申請が予定されている。
Wnt経路の異常は、異常なβカテニンの転写活性を引き起こし、さまざまな癌において細胞の無制御な増殖を促す。DPTX3496は、Dewpointの独自プラットフォームを活用して開発され、βカテニンを核内コンデンセートデポに隔離することで、その異常な転写活性を抑制し、がん細胞の選択的なアポトーシス(細胞死)を誘導する。このコンデンセートを利用した作用機序は、癌治療における新たな戦略とされている。
DPTX3496は、大腸癌、乳癌、肺癌において腫瘍の縮小および増殖停止を示し、さらに患者由来異種移植(PDX)モデルにおいて良好な耐容性と最小限の体重減少が確認された。また、Dewpointはβカテニンの活性をモニタリングする独自のバイオマーカーアッセイを開発し、治療標的の作用を臨床で評価する計画である。
Dewpointは、DPTX3186を胃癌、DPTX3496を大腸癌・乳癌・肺癌の治療として開発を進める。この戦略により、腫瘍ごとに適した規制対応、治療の組み合わせ、マーケット戦略を策定し、臨床データの差別化と市場競争力の向上を図る。Ameet Nathwani CEOは、「がん種ごとの特化データを蓄積することで、競争力を高めるだけでなく、共同開発・共同販売の機会を広げる」と述べた。
Dewpointは、バイオマーカー解析を強化するため、ConcertAIの臨床ゲノムデータおよびCARAai™プラットフォームを活用し、Wnt経路が活性化した腫瘍患者を最適に層別化する。また、EvotecのINDiGOプラットフォームを活用することで、IND申請までの期間を短縮し、開発スピードを加速する。
Dewpoint Therapeuticsについて
Dewpoint Therapeuticsは、コンデンセート生物学を活用した新世代の治療薬開発を推進するバイオ医薬品企業である。従来「創薬不可能」とされていた疾患に対し、AI/MLを駆使した独自プラットフォームを活用し、がん、神経変性疾患、心肺疾患、代謝疾患などの治療薬を開発している。Bayer、Novo Nordisk、Evotec、Mitsubishi Tanabe Pharmaとの提携を通じ、難治性疾患に対する革新的な治療法の実現を目指している。
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