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GovTechのSarvam AI、UIDAIと提携しAadhaarに音声AIと不正検知技術を導入
インドのUnique Identification Authority of India(UIDAI)は、ベンガルールを拠点とするジェネレーティブAIスタートアップのSarvam AIと提携し、AadhaarサービスにAI技術を活用した音声インタラクションと不正検知を組み込むと発表しました。これにより、利用者の体験向上とセキュリティ強化に加え、多言語対応による利便性がさらに高まるとされています。
今回の協業によってSarvam AIは、Aadhaarに関連するサービスに音声ベースのAIシステムを導入し、利用者が登録や更新時に直面した問題や不当な料金請求などにリアルタイムで対応しやすくなる体制を整えます。また、本人認証を行う際にリアルタイムの不正検知アラートを出すことで、Aadhaar番号保持者のセキュリティを強化します。システムはヒンディー語、英語、テルグ語、タミル語、マラーティー語、グジャラート語、カンナダ語、オディア語、パンジャブ語、マラヤーラム語の10言語に対応し、今後さらに対応言語を拡充する計画です。
さらにSarvam AIのGenAIスタックはUIDAIの環境内でオンプレミスホスティングされ、データが外部に流出しないよう管理されることになっています。今回の契約は1年間の有効期間で、状況に応じてもう1年延長される可能性があります。UIDAIにとっては、技術的な革新を通じてAadhaarサービスを発展させる取り組みの一環であり、Sarvam AIが専門家として協力したボランティア政策をもとに共同開発が進められました。
UIDAIのCEOであるBhuvnesh Kumar氏は、「GenAIはテクノロジーの先駆者としてのUIDAIの次なるステップであり、国民の生活をより便利にするという我々のコミットメントを補強するものです」と述べています。一方のSarvam AIは同日に、米国サンフランシスコのベイエリアに「Sarvam Labs」という研究拠点を立ち上げることも発表し、インド政府のAI関連ミッションを支える国産の大規模AIモデル開発を検討しているとしています。
Sarvam AIの創業者Pratyush Kumar氏とVivek Raghavan氏は2023年に会社を設立し、同年12月にLightspeed Venture PartnersやPeak XV Partners、Khosla Venturesなどから4,100万ドルを調達してシリーズAラウンドを完了しました。以来、同社は「Sarvam 2B」などの小規模言語モデル(SLM)を立ち上げており、インドの言語に最適化された初のオープンソース基盤モデルだと主張しています。また、会話やオーディオ生成に対応した「Shuka 1.0」も先にリリースし、Llamaモデルを拡張してBeatや言語のオーディオ入力を継続して再生できる機能を備えているとのことです。
Sarvam AIについて
Sarvam AIは、2023年にPratyush Kumar氏とVivek Raghavan氏によって設立されたジェネレーティブAIスタートアップです。インド国内外で多言語対応の大規模AIモデルや音声処理技術を開発し、政府や企業のデジタル化を支援するミッションを掲げています。シリーズAで4,100万ドルを調達してからは、独自の小規模言語モデル(SLM)や音声LM「Shuka」のオープンソース化などを積極的に進めており、AIを通じてインドの技術革新を加速させる存在として注目されています。
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