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HealthTechのAbridge、Tanner Healthと提携しAI臨床記録を全診療科に導入—特にメンタルヘルス分野での活用を強化
Tanner Healthは、ジョージア州西部およびアラバマ州東部の主要医療機関として、AbridgeのAIプラットフォームを全診療科に導入することを発表した。特に、メンタルヘルス分野の医師たちが高く評価したことから、この分野での展開を加速させる方針だ。
Tanner Healthは、Abridgeと他の臨床記録ツールを比較し、一部の医師が両ツールを同時に使用して臨床記録の質を検証した。その結果、医師からのフィードバックにより、Abridgeの優れた記録精度が評価され、全診療科への導入が決定した。Tanner HealthのChief Medical Information Officer(CMIO)であるBonnie Boles氏は、Abridgeの導入による影響について次のように述べた。
「あるプライマリケア医師は、30年間で初めて診療終了時に記録が完了するようになったと報告しました。ある外科医は、以前は1日4〜5時間を記録作成に費やしていましたが、今では1時間で完了できるようになったと言っています。」
Abridgeは、診療環境を自動で認識し、適切な臨床記録を生成する機能を持つ。特に複数の話者がいる複雑な診療環境でも正確な記録を作成できる点が、メンタルヘルス領域の医師たちから高く評価されている。
Tanner Healthのメンタルヘルス専門医の声:
• Darron Lewis(精神科医):「Abridgeのおかげで患者とのつながりが深まったと実感しています。ボディランゲージをしっかり受け取れるようになり、患者との関係性が格段に向上しました。」
• April Fortenberry(小児精神科専門ナースプラクティショナー):「診察室に複数の家族がいる中でも、Abridgeは不要な音を自動でフィルタリングし、記録の精度を保ってくれます。」
• Kenneth Genova(Tanner Health精神科・メンタルヘルス部門責任者):「精神科では患者との対話に集中することが重要ですが、Abridgeが記録を代行してくれるおかげで、認知負荷が大幅に軽減されました。生産性も向上し、60代のベテラン精神科医でさえ導入を希望しています。」
Abridgeは現在、Duke Health、Mayo Clinic、Johns Hopkins Medicine、UChicago Medicine、UPMCなど、米国内の主要医療機関に急速に導入されている。また、Wolters Kluwer、OpenNotesなどと提携し、さらなるエコシステムの拡充を進めている。2024年初頭には、NVIDIAの戦略的投資を含む1億5000万ドルのシリーズC資金調達を発表し、今後さらなる成長が期待されている。
Abridgeについて
Abridgeは、AIを活用した臨床記録プラットフォームを提供するHealthTech企業であり、医師の負担を軽減し、患者との対話の質を向上させることを目指している。28以上の言語と50以上の診療科に対応し、リアルタイムでEMR(電子カルテ)と統合できる技術を提供している。現在、全米の主要医療機関で急速に採用が進んでおり、AIを活用した医療記録の新たな標準を確立している。