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2025/04/18

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FemTechのMaven Clinic、不妊治療に伴う隠れたコストを調査―精神的・経済的負担の深刻さが明らかに

女性と家族のためのバーチャルヘルスケアを提供する世界最大のFemTech企業、Maven Clinicが、不妊治療に伴う経済的、精神的負担の実態を調査したレポート『Beyond the Bill: The Hidden Costs of Fertility Care(請求書を超えて:不妊治療の隠れたコスト)』を発表しました。この調査は、米国で不妊治療を受けた、もしくは妊娠困難を経験した女性1,000人以上の回答を分析し、不妊治療の経済的負担のみならず、キャリア、家族関係、メンタルヘルスに及ぶ重大な影響を明らかにしています。

 

現在、世界では6人に1人が不妊を経験しています。しかし、多くの人々が十分な支援を受けられていないのが現状です。米国では企業が従業員向けに不妊治療支援を提供するケースが増え、現在40%の企業が何らかの支援を導入しており、これは2020年比で30%増加しています。しかし、金銭面以外にも感情面や医療面での総合的なサポートが必要だと調査は指摘しています。Maven Clinicの創業者兼CEOであるKate Ryder氏は、「体外受精(IVF)は人生を変えるテクノロジーであり、こうしたケアへのアクセスを提供することは最低限のスタート地点にすぎません。不妊に悩む人々は、24時間いつでも利用可能で、感情的・医療的なニーズの双方を満たすサポートを必要としています」と述べています。また、Maven Clinicの最高医療責任者であるNeel Shah博士は、「現状のシステムは最短かつ安全な形での妊娠達成を支援するものにはなっていません。包括的かつ早期のサポートで治療成果を向上させ、コストを削減するシステム構築が必要です」と語っています。

 

調査で判明した重要な結果としては、まず経済的負担の問題が挙げられます。調査対象の4人中3人が治療費用による経済的負担を感じており、約3分の1の女性は5万ドル(約750万円)を超える治療費を支払っています。また83%が不妊治療の費用を捻出するために他の支出を削減しており、52%がマイホーム購入や老後資金など、人生の他の目的のための貯蓄を取り崩していることが分かりました。さらに、不妊治療が与える影響は経済的負担に留まりません。回答者の91%がメンタルヘルスへの悪影響を感じており、78%は精神的ストレスから結婚式やベビーシャワーなどの社会的交流を控える傾向にあります。人間関係にも負荷がかかり、回答者の65%は治療の負担が自分に集中していると感じています。キャリアにも影響があり、44%が治療スケジュールや家族計画の懸念から昇進や新しい仕事の機会を辞退した経験があります。また59%の女性もしくはそのパートナーが、治療費を捻出するために追加の仕事を引き受けています。企業の不妊治療支援制度は、従業員の生産性やエンゲージメントを高める一方、依然として職場におけるスティグマが根強く、治療を隠す女性が77%も存在しています。一方、制度を利用する従業員の81%は職場への貢献度が高まったと回答しています。Maven Clinicは、バーチャル診療、ヘルスコーチング、不妊治療支援の提供を通じて、雇用主にコスト削減と良好な治療結果をもたらしています。治療支援を受ける患者の30%は、体外受精などの高度生殖補助技術を使わずに妊娠を達成しています。

 

Maven Clinicについて
Maven Clinicは女性と家族向けバーチャルヘルスケアを提供する世界最大規模のFemTech企業です。家族形成、不妊治療、妊娠・新生児ケア、小児科、メノポーズ(更年期)支援などを包括的に提供しています。現在、2,000以上の企業・健康保険会社に導入されており、医療成果向上とコスト削減に貢献しています。2014年にKate Ryder氏が設立し、これまでGeneral Catalyst、Sequoia、Dragoneer Investment Groupなど著名な投資家から総額4億2500万ドル以上を調達しています。

 

TagsFemTechHealthTechUnited States

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